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福島・相双の小規模現場45ヵ所、土砂採取約半数が無認可 復興事業で需要増背景

採石法違反と判断され閉山に向けた作業が進む土砂採取場=南相馬市

 福島県相双地方振興局管内で、主に小規模な土砂採取場92カ所のうち45カ所が、採石法に基づく手続きを取らずに無認可だったことが県の調査で分かった。県は事業者に対し、採取の中止と崩落対策など災害防止措置の計画書提出を指導した。

 一部業者からの事前相談に、県が採石法適用の対象にならないと答えていたことも判明。違反が続出した背景には東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の復興事業で需要が増え、事業参入が相次いだこともあるとみられる。
 県によると、調査は1月から123カ所の採取場を対象に実施。5月に結果が出た92カ所のうち、南相馬市などの45カ所で違反が判明した。調査対象の大半が震災後に採取を始め、伐採など林地開発が1ヘクタール以下の小規模な現場だった。
 県は違反があった箇所を公表していない。昨年、新地町の2カ所が無認可と確認され、管内全域で調査をした。
 振興局によると、管内には第三紀層と呼ばれる地層が広がっている。この地層は表面近くが砂状でも掘り進むと固まった土質である場合が多い。県は、少なくとも固まった土質が現れた時点で採石法の適用対象となり、業者は手続きを取るべきだったと判断した。
 適用対象かどうかの基準を明確化するため、県は2020年4月から運用を見直すことを決定。違反のなかった47カ所を含め第三紀層の土砂採取は、全て採石法に基づく業者登録と採取計画認可が必要と改める。
 違反があった45カ所のうち少なくとも15カ所は、事前に相談を受けた振興局が業者の地質調査結果などを基に「採石法非該当」と見解を示した。採取を中止した業者は「採取場は閉山する。県も当初は採石法適用対象外との見解で、従ってしまった」と釈明した。
 振興局は「相談時、掘り進めれば採石法適用になる可能性があるとの説明が十分でなく、採取開始後の確認にも行き届かない点があった」と不備を認めた。
 違反があった採取場の土の一部は県発注の復興事業に使用された。2018年度までの海岸防災林整備工事で使ったことを確認した県相双農林事務所は「当時は調査結果が出ておらず、問題なかった」と説明。19年度は使用していないという。
 採取を続けるには登録や計画認可が欠かせず、一定の資金や労力が要るため事業から撤退する業者も出るとみられる。振興局は「丁寧に説明し、適切に指導していく」と説明する。


2019年07月18日木曜日


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