宮城のニュース

<参院選宮城>女川再稼働論戦は低調 訴え響かず住民がっかり

女川原発の全景を背景に、廃炉を求める仙台市内でのデモ活動(右上)と原子力規制委員会の審査会合(左下)のコラージュ

 21日に投開票が迫る参院選宮城選挙区(改選数1)で、東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働の是非を巡る論戦が低調だ。与野党候補が丁々発止とやり合う年金や消費税、憲法などの主要争点にかき消された格好。住民からは「再稼働について考える好機なのに、がっかりだ」との声も漏れる。

<審査終盤>
 女川2号機の原子力規制委員会による新規制基準適合性審査が終盤を迎えた時期の国政選挙だけに、原発を抱える宮城で再稼働の是非は重要な論点。それなのに、候補者が考えを語る場面は皆無に等しい。
 自民党現職愛知治郎氏(50)は遊説で女川、石巻の両市町に入ったものの、原発の再稼働には触れなかった。「最終的には地元の判断だろう」と慎重な姿勢を示し、発言を控える。
 対する立憲民主党新人石垣のり子氏(44)は、仙台市内での街頭演説などで「再稼働には反対だ」と訴えるが、それ以上の踏み込んだ発言はない。公示後は女川町に入っていない。
 エネルギー政策に関して、愛知氏は環境に配慮した電源構成の在り方を検討すべきだとの考えを示す。他方「再生可能エネルギーの限界を見極める必要がある」とも指摘。原発再稼働の是非は明言していない。
 石垣氏は政策パンフレットで技術、コスト、運営統治などの面で「再稼働には反対せざるを得ない」とし、「再稼働の是非を問う前に正確な情報開示、原子力ありきのエネ政策を見直すべきだ」と主張する。

<「残念だ」>
 対立軸がはっきりしていながら、多くの争点の中に埋もれる原発再稼働。地元住民からは「宮城の将来を左右する関心事だけに活発な議論を期待していた。残念だ」(石巻市の70代男性)との声が上がる。
 東北電は今月中の新基準審査終了を見込む。6月下旬の株主総会後、記者会見した原田宏哉社長は「地域の理解を得ながら早期の再稼働を目指す」と強調した。
 公示翌日の5日。仙台市青葉区中心部を市民有志約30人が練り歩き「原発をなくす議員を選ぼう」と気勢を上げた。参加した青葉区の70代女性は「諦めや無関心が広がることが一番怖い」と危機感を募らせる。
 多岐にわたる争点の陰で、地域の重要な課題が置き去りにされている。


2019年07月19日金曜日


先頭に戻る