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<参院選 その声届くか>地域経済/中心商店街衰退の一途

シャッターを閉めた店が目立つ亘理町中心部の商店街。にぎわいが消えて久しい

 平日昼下がり、旧国道6号沿いに広がる亘理町中心部の商店街。シャッターを下ろした店舗、売り物件、更地が目に付く。人通りはほとんどない。
 「落ちるところまで落ちてしまった」
 亘理山元商工会の門沢俊夫会長(55)がつぶやく。商店街に店を構えた老舗しょうゆ醸造元の6代目だったが、家業は四半世紀前、不動産賃貸業に衣替えした。

■商圏移り危機感
 郊外にバイパスが造られ、大型店出店の規制が緩和され、商店街の衰退は徐々に目立つようになった。商店街の小売店などが加盟する亘理悠里会は、6月末で買い物ポイントカードのサービスをやめた。1997年の発足時に83店だった会員は29店に減った。門沢さんは「道路一つ、法律一つができるたびに店は減っていった」と嘆く。
 阿部雄弘さん(81)、利枝さん(73)夫妻の切り盛りする木造モルタル3階の衣料店は、昭和初期に「亘理の百貨店」と称された。現在は1階のみで営業し、娘も息子も地元を離れた。自分たちの代で店を閉じることも、頭をよぎる。
 町の商圏は、JR亘理駅の東部に移りつつある。来年には役場新庁舎が東部にできる。雄弘さんは「商店街の衰退に拍車が掛かる」とため息を漏らす。
 参院選宮城選挙区の論戦が続く。商店街近くで5日、立憲民主党新人石垣のり子氏(44)が強調したのは「消費税増税を阻止する。上げるべきは賃金であって消費税ではない」だった。

■処方箋は見えず
 白石市郊外の複合交流拠点「しろいしサンパーク」。6日、山田裕一市長を傍らに、自民党現職の愛知治郎氏(50)が声を張り上げた。「日本経済を力強く成長させ、宮城、白石の明日を切り開く」
 サンパークでは昨年から来年春にかけて屋内遊び場や農産物直売所、レストランなどが順次開業。総事業費約13億8000万円。国の地方創生関連交付金約4億2000万円も入る。
 そんな郊外の活気は、市中心部には届かない。JR白石駅周辺や近くのアーケード街は空き地や閉じたままの店舗が目立つ。
 90年代前半から国道4号バイパス沿いに大型店の進出が活発化した。一方、2000年に駅前の大型店が撤退、07年には食品スーパーが閉店した。核店舗が姿を消した駅前の空洞化は深刻だ。
 帰省客や観光客で例年にぎわう8月の白石夏まつり。今年はメイン行事「白石音頭パレード」が中止になった。沈滞ムードは一層深まる。
 白石市商店会連合会の長橋和夫会長(62)は「中心商店街は白石の顔。高齢化や後継者不足で自助努力には限界が来ている。活性化のため、政治の目を向けてほしい」と注文を付ける。
 仙台一極集中、地方の中心商店街の疲弊。論戦から、処方箋は見えてこない。
(亘理支局・庄子晃市、白石支局・村上俊)


2019年07月19日金曜日


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