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<参院選岩手>ILC誘致で火花

平野候補(左)の応援に駆け付けたILC推進議連の河村会長

 参院選岩手選挙区(改選数1)で、北上山地が建設候補地になっている超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の誘致を目指す地元に、政権与党が投票という「見返り」を誘っている。これには野党勢力にくみする達増拓也岩手県知事が猛反発。21日の投開票に向け、駆け引きが一層激化している。

 「ILC誘致を進める上で大きな貢献をしてきた。誘致を実現するには、当選してもらわなければ困る」
 一関市で9日夜にあった自民党現職、平野達男候補の個人演説会。ILC建設を推進する超党派議員連盟の会長でもある河村建夫元官房長官が、500人の聴衆に呼び掛けた。
 ILCの誘致は政府が態度表明を先送りしており、実際には日本学術会議の重点大型研究計画に盛り込まれるかどうかが直近の焦点になっている。
 それでも世界各国が参加する国際プロジェクトで、巨額の財政支出を伴うだけに「最後は官邸の判断」というのが関係者共通の見立てだ。
 菅義偉官房長官は11日、盛岡市内のホテルで県内市町村長と懇談し「地元が積極的にILC誘致に取り組んでほしい」と話した。淡々とした語りだが、岩手入りの目的は平野候補の応援。市町村長は、発言の意味するところを容易に察した。
 「ILCは政治マター。実現を目指すなら政府与党と連携すべきだ」。記者会見で自民県連の千葉伝会長は、より直接的表現で「誘致」と「支援」のバーターを求めた。
 自民の攻勢に、野党統一候補の無所属新人、横沢高徳候補を全面支援する達増知事が色をなす。12日の定例記者会見では「ILCを選挙と絡め、お上に逆らってはいけないというのは全体主義の考えだ」とけん制してみせた。
 県は8月、現行のILC推進室を局に格上げして誘致活動を強化する。本年度に始まった県総合計画(2019〜28年度)も「ILCプロジェクト」を重点政策の筆頭に置いた。
 達増知事は「ILCは党派を超えたオールジャパンのプロジェクト。非民主的なやり方があってはならない」とくぎを刺す。


2019年07月19日金曜日


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