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<とびらを開く>気軽な交流愛着育む 町内会担い手確保 夏祭り生かそう

夏祭りでは盆踊りも交流に一役買っている=2018年夏、多賀城市高橋地区
「流しそうめん」などの行事は子どもたちに人気=2016年夏、多賀城市桜木南地区

 「役員のなり手がいない」「若い住民との関わりが薄い」。町内会ではしばしばこうした声を聞きます。多賀城市市民活動サポートセンターが2017年度に同市内で実施した調査でも、地元町内会長の83%が「役員のなり手がいない」と答えました。課題解決の糸口はどこにあるのか。「夏祭り」に注目してはどうでしょう。
 地域の夏祭りは住民の親睦や世代間交流を目的に、町内会や子ども会により実施されます。普段は地域行事に参加しない方も訪れ、住民同士が顔見知りになることが期待できます。
 多賀城市高橋地区の夏祭りは好事例の一つ。地元には仙台育英学園高の多賀城校舎があり、寮生活を送る外国からの留学生も夏祭りに訪れます。
 筆者の私も以前、夏祭りを取材。そこで出会った留学生は祭り会場で住民と意気投合し、「すっかり仲良くなった」と話していました。
 祭りでは、昔遊びなどを取り入れている場合も。こうしたプログラムは、年配の方が子どもや若い世代と交わることができ、世代間交流につながっています。
 担い手を探す町内会側にとっては、地域の人材を発掘する機会にもなります。
 「手品のサークルに参加している人がいた」「ダンスができる人たちを知っている」。ある夏祭りの実行委員会では出席者からこうした意見が上がりました。
 「身近に特技のある人がいることに気付いた」と町内会関係者。祭りのプログラムは「みんなが地域の情報を持ち寄りながら考えられた」と言います。地域のサークルにとっても、夏祭りは成果を発表する場となるので一石二鳥です。
 夏祭りは、住民が町内会に関わる入り口にもなります。「出店を手伝う」「一緒にプログラムを考える」など…。関わりをきっかけに、若い人たちが有志グループを結成し、交流イベントを始めた例もあります。
 町内会役員のなり手不足の背景には、人口減少、高齢化、役員の負担感、住民の無関心など、さまざまな要因があります。
 大事なのは、その人に合った多様な関わり方があること。関わることで地域に居場所ができ、愛着が生まれ、担い手が育っていくのではないでしょうか。
(特定非営利活動法人せんだい・みやぎNPOセンター 櫛田洋一)

<ひとこと>
 夏祭りの情報は主に回覧板で回ってくるほか、集会所や公民館の掲示板、ごみ集積所にポスターが張ってある場合もあります。情報が見つからない場合は、ご近所さんに聞いてみるのもいいでしょう。今年はぜひ、夏祭りを楽しんでみてはいかがでしょうか。


2019年07月22日月曜日


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