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<参院選青森>地盤の南部で地力発揮 滝沢氏「敵地」も切り崩す

 自民党現職の滝沢求氏(60)が、野党統一候補で立憲民主党新人の小田切達氏(61)を約3万3000票差で振り切り、再選を果たした。八戸市を中心とした地盤の南部地方で大きく引き離し、県内40市町村のうち32市町村で小田切氏を上回った。
 滝沢氏は、自民の県選出国会議員や首長、多数の地方議員による組織戦を展開。県内140以上の企業、団体から推薦を取り付け、序盤から優位に戦いを進めた。
 自民県連は4月の県議選と6月の知事選、参院選を連動させた戦略を徹底し、滝沢氏も精力的に活動。知事選では5選を果たした三村申吾知事と県内各地を行脚し、浸透を図った。
 地縁の薄い津軽地方には重点的に足を運んだほか、県議らがフル回転して支持を拡大。大票田の青森、弘前両市でリードを許したが、つがる、黒石両市で競り勝つなど、「敵地」を切り崩した。
 これまで県内の選挙を取り仕切ってきた津軽地方の県連のベテラン2人が、県議選で落選した影響を最小限に抑え、郡部でも着実に票を積み上げた。
 小田切氏は2月に立候補を表明したものの、活動を本格化させたのは知事選後。立民、国民民主、共産、社民各党による統一候補の決定も5月と遅れた。立民の枝野幸男代表が2度にわたって県内入りしたが、知名度不足を解消するまでのうねりは起こせず、終盤の追い上げは及ばなかった。
 街頭演説では約30年の弁護士経験を基に、社会的弱者に寄り添う政治姿勢を強調。増税反対や年金制度の見直しを訴えた。滝沢氏を追い落とすことはできなかったが、安倍政権に不満や不安を抱く層の受け皿となったことは間違いない。
 政治経験が全くなく、ほぼ無名の小田切氏が無党派層を取り込んで現職の滝沢氏に迫った意味は大きく、むしろ善戦したと言える。
 残念ながら、投票率は42.94%と過去最低を更新した。有権者の関心を高めるためにも異なる意見や少数の声を丁寧にすくい取り、政策として提示する努力が求められる。
(青森総局・茂木直人)


2019年07月23日火曜日


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