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<参院選岩手>「小沢流」と労組が呼応 横沢氏、最終盤に逆転成功

 政治的知名度も手腕も未知数だった野党統一候補で無所属新人の横沢高徳氏(47)が、3期18年の政治経歴と初代復興相の知名度を有する自民党現職の平野達男氏(65)に、1万5506票差で競り勝った。最終盤に肩を並べて抜き去る展開が、岩手における野党共闘の厚みと与党自民党のひ弱さを象徴していた。
 横沢氏は、小沢一郎衆院議員(岩手3区)と達増拓也知事によって築かれた広範な後援組織が総力を挙げて支援。盛岡、花巻、奥州、一関など人口や産業が集積する県央部で平野氏を上回る票を獲得し、逆転への布石とした。
 野党共闘は、農山漁村から都市部に攻め上る典型的な小沢氏流選挙と、労組による組織戦の歯車がかみ合い、無名の新人を急速に浸透させることに成功した。
 平野氏は敗れはしたものの、市町村別得票は全33市町村のうち24市町村で横沢氏を上回り、特に沿岸12市町村や県北の得票は横沢氏に勝った。
 東日本大震災からの復興途上にあったり、深刻な人口減少に直面したりして真に政治を必要とする地域が、政権与党の平野氏を支持したと言えよう。
 一方で平野氏の戦いは、旧民主党から自民党へ転向した「古傷」に終始さいなまれ、有権者の不信感は払拭(ふっしょく)しきれなかった。
 有権者心理に敏感な自民党の二階俊博幹事長は選挙戦終盤、「あと5センチ頭を下げろ」と平野氏を一喝。老練政治家の不安は的中し、票差となって表れた。
 比例代表の得票でみると、横沢氏を推した立憲民主、国民民主、共産、社民の4党は計約25万2000票(得票率44.5%)。一方、平野氏を支えた自民、公明両党は計約24万7000票(43.7%)。
 小差で野党が上回る傾向は過去の国政選挙でも同様。それを知る小沢氏は、無名の横沢氏の擁立に当たっても「(野党が共闘すれば)岩手は誰だって勝てる」と語り、早くから勝利を確信していた。
 大きな政治的地殻変動がない限り、岩手県政界における野党共闘優位の図式は当面、揺るぎそうにない。
(盛岡総局・片桐大介)


2019年07月23日火曜日


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