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<参院選>政治、最後まで支援を 東北の被災者、議員注視

参院選で安倍晋三首相の街頭演説に集まった有権者。被災地の住民は今後の復興政策を注視している=17日、石巻市

 東日本大震災の復興・創生期間(2021年3月まで)で最後となった参院選は与党が改選過半数を確保した一方、東北6選挙区(改選数各1)では野党候補が4議席を占め、「安倍1強」政治にノーを突き付けた。復興の総仕上げを担う議員に対し、被災地の住民からは震災の風化への懸念や支援の継続を求める声が上がった。

 宮城、岩手両県では自民党現職がともに4選を阻まれた。「自民党はおごりが目立つ。言葉だけきれいに飾り、被災者に寄り添った政治を行っているとは思えない」。塩釜市の災害公営住宅に住む土見寿郎さん(93)は、政権与党への不信感を消せないでいる。
 石巻市の災害公営住宅で暮らす阿部好広さん(72)も「肝心な問題が十分に議論されなかった。暮らしがどうなるのか不安だ」と漏らす。
 宮城県山元町の会社員斎藤真理さん(45)の住む中浜地区は、震災前の314世帯が26世帯に激減。「震災から8年4カ月。被災地以外の議員はどれくらい被災地に目を向けているのか」と疑問を投げ掛ける。
 岩手県大槌町の小林正造さん(71)は、復興の議論が置き去りにされていると感じている。「被災地に来れば復興を語るが、もう全国的なテーマにはなっていない」
 「選挙の勝ち負けより、選挙で訴えたことを実行してほしい」。今年自宅を再建した同県山田町の自営業阿部富子さん(63)の言葉は切実だ。
 被災3県で唯一、自民党現職が勝った福島県。斉藤政寿さん(72)は、避難先の栃木県那須塩原市から約120キロ離れた二本松市にある浪江町役場支所で期日前投票をした。
 「『どうせ変わらないだろう』という人が増え、投票率が下がったのではないか」と斉藤さん。有権者の諦めが低投票率を招き、組織力で勝る自民党を勝利に導いた可能性を示唆する。
 復興・創生期間の終了まで1年半余り。福島県富岡町からいわき市に避難する石井黎子さん(75)は「避難している若い世代も働く場があれば戻れる。復興支援は創生期間後も続けてほしい」と訴えた。


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2019年07月23日火曜日


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