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生活クラブ連が山形のコメ生産組織に不買圧力 農協巡る訴訟に介入

 庄内みどり農協(酒田市)が生産者の同意なくコメ代金の一部を差し引いたのは違法だとして、組合員が正当な精算を求めた訴訟を巡り、大口提携先の生活クラブ生協連合会(東京)が2014〜16年、組合員有志の部会組織に取引停止をほのめかすなどしていたことが23日、関係者への取材で分かった。

 生活クラブ連が取引を停止した場合、他の多くの部会員に損害を与えると悩み、不眠やうつ状態になる部会員もいたという。生活クラブ連の介入は、裁判を受ける権利を定めた憲法や優越的地位の乱用を禁じた独占禁止法に抵触する可能性がある。
 部会組織は生活クラブ連と1990年ごろから品種や農法、量、価格を決めた上でコメを生産してきた「遊佐町共同開発米部会」(山形県遊佐町)。
 関係者によると、一部の部会員は2011年ごろから、販売を委託したコメの精算方法が不透明だとして農協に説明を求めてきた。生活クラブ連は14年ごろに仲介役として関与し始め、顧問が「裁判で問題を起こす産地のコメはやめる」などと当時の部会長らに迫るようになった。
 専務理事も「裁判をするところと取引はできない」と繰り返し通告したり、協議の場で「この件は生活クラブ連にとってストレスで迷惑だ。足を引っ張られていて、提携先として大丈夫かと考えざるを得ない」と話したりした。
 部会員らが16年、山形地裁酒田支部に訴えを起こすと、生活クラブ連理事会は即座に「提訴は衝撃で遺憾だ」とする見解書を送り、非難した。
 関係者によると、生活クラブ連は内部で専務理事らの言動に関し処分を検討したが、組合員には一連の経緯を明らかにしていない。伊藤由理子常務理事は「訴訟に関わらないと決めており、コメントできない。訴訟が終わった後に生活クラブ連の調査結果を報告する」と話した。
 生活クラブ連は90年設立。33都道府県の単位生協などで構成し、組合員数は約40万人。「遊佐町共同開発米部会」から約5500トンを入荷する。

[庄内みどり農協コメ販売訴訟]農協が組合員から販売委託されたコメ代金のうち、比較的高値で売れる商社などへの直接販売分と全農を通じた再委託販売分との差額の半分を「直販メリット」名目で徴収されているとして、2016年に組合員4人が提訴。原告は現在114人。山形地裁酒田支部から訴訟移送された鶴岡支部は18年3月、徴収は約定書に不記載で、農協と組合員の合意は認められないとの心証を開示した。訴訟は継続中。


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2019年07月24日水曜日


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