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庄内みどり農協が組合員に人権侵害 山形県弁護士会が改善勧告 コメの不当精算訴訟

 庄内みどり農協(酒田市)が生産者の同意なくコメ販売代金の一部を差し引いたのは違法だとして、組合員114人が正当な精算を求めた訴訟を巡り、原告団に加わる組合員に人権侵害を繰り返しているとして、山形県弁護士会が農協に改善を求める勧告・要望書を出していたことが24日、分かった。弁護士会が訴訟案件について勧告などを行うのは珍しい。
 県弁護士会は聞き取りなどの結果、農協が2016年に部外秘のリストを作成して理事らに渡し、理事らが組合員を戸別訪問して訴訟参加を撤回するように求めたと認定。憲法に定める「裁判を受ける権利」を不当に制約しているなどとして9日付で文書を農協に提出した。
 調査では、原告や原告団に加わろうとする組合員への制裁や嫌がらせとみられる行為も確認された。農業雑誌社の嘱託職員だった組合員は提訴後、農協が雑誌社に対し「嘱託職員が裁判の原告になっていて支援できない」と広告掲載を取りやめると圧力をかけたため、同社を辞めるざるを得なくなったという。
 17〜18年には、原告の組合員らが農協施設の会議室を使用する際、具体的理由も示さずに拒否していた。
 県弁護士会は文書で、個人情報を漏えいさせて組合員の人権を侵害しているとして、リスト作成を繰り返さないよう勧告。報復や心理的な圧迫で不当に提訴を妨げているとして、農協と当時の組合長、専務理事、理事に対し、原告に加わろうとする組合員に不利益な扱いをしたり、参加撤回を求めたりしないように要望した。
 原告の組合員らが昨年12月、農協に過去に販売委託したコメの数量確認を求めた組合員がリスト化され、提訴に向けた行動を組織的に監視、妨害され続けているなどとして人権救済を申し立てていた。
 県弁護士会は通常、訴訟案件の一方にくみすることはないが、「農協が公平さを欠く行動を続けている状況は看過できず、迅速かつ慎重に調査、判断をすべきだと考えた」と説明した。農協の担当者は「勧告・要望書の内容を慎重に検討している」と話した。
 訴訟は組合員4人が16年、農協に販売委託したコメの精算で約定書にない諸経費を差し引かれたとして、未払い金の支払いを求めて山形地裁酒田支部に提訴。原告団は段階的に拡大している。


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2019年07月24日水曜日


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