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<女川1号機廃止措置計画>廃棄物処分が焦点に

 東北電力が女川原発1号機の廃止措置計画をまとめ、廃炉作業の輪郭が浮かび上がった。30年以上に及ぶ廃炉の過程では、東北電が使用済み核燃料や放射性廃棄物を責任を持って搬出し、確実に処分できるかどうかが大きな焦点となる。
 廃炉工程は4段階。第1段階で1号機燃料プールの使用済み燃料821体を3号機に搬出。既に1号機から女川2、3号機に移している161体を含む計982体を、日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)へ譲渡する。
 再処理工場は2021年完成の予定だが、完成延期を20回以上も繰り返す上、原子力規制委員会の審査も続いている。東北電の関係者は「地元に『敷地内に留め置かないでほしい』との懸念はあると思う。計画的に譲渡できるよう検討する」と話す。
 女川2、3号機の燃料プールも貯蔵余力は10年程度とされる。今後、東北電の狙い通りに2、3号機が再稼働すれば、さらに使用済み燃料などが増える。
 元原子力資料情報室(東京)の沢井正子氏は「女川原発は燃料貯蔵が逼迫(ひっぱく)する事態や、再び東日本大震災のような災害が起きた場合の事故のリスクを抱えている」と指摘する。
 東北電は廃炉作業に伴い、制御棒や原子炉内構造物といった低レベル放射性廃棄物が約6140トン生じると推定する。放射能の強い順に「L1」から「L3」に分けて埋設処分する考えだが、現時点では「処分先の確保は原子力事業者共通の課題」(幹部)と述べるにとどまる。
 先行して廃炉に取り組む原発も、放射性廃棄物の対応に苦慮する。01年に廃炉に着手した日本原子力発電東海原発(茨城県)は、原子炉解体工事開始を3度延期した。中部電力浜岡原発1、2号機(静岡県)は4段階の工程のうち第2段階まで進んだが、処分先が決まらず一部を建屋内に保管する。
 市民団体「脱原発東北電力株主の会」の篠原弘典代表は「廃炉の時代が到来していることは明らか。廃棄物対策は待ったなしで、東北電としてはっきりとした処分先を示せないのは大きな問題だ」と訴える。


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2019年07月27日土曜日


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