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<人駅一会>(8)歌津/浜を鼓舞する「魚竜太鼓」

夏祭りに向けて猛練習中の「歌津魚竜太鼓」のメンバー。太平洋の荒波を乗り越え、大漁船で 帰港する勇ましい漁師の姿を表現している=歌津復興交流センター

 東日本大震災で分断された交通網が、長い一本の線につながろうとしている。傷跡を癒やしながら、少しずつ復興に向かう被災地の数々。点々と海沿いに続く駅を起点に訪ね歩いた。

◎南三陸町歌津 カキ・ワカメ養殖 千葉拓さん(33)

 太鼓のばちを持つと、体がうずうずしてきます。小さい頃から父親が打ち鳴らす姿を見てきたので。私は「歌津魚竜太鼓」の二代目ですね。
 魚竜太鼓が誕生したのは今から30年ほど前。その名から分かるように、1970年にここ歌津で世界最古の魚竜の化石が発見されたことがきっかけ。
 曲を作ってもらおうと、作曲家に「ウタツギョリュウ」「2億4200万年前」というテーマを伝えたら、かなり悩んだみたいです。結局、伊里前湾で魚を捕る漁師と魚竜を重ね合わせて作ったといいます。演奏時間は13分です。
 演奏を披露するのは春と夏の2回だけ。みんな忙しいのに、本番が近づくと誰からともなく「いつ集まる?」って話になる。太鼓もこの街も好きなんです。
 家もカキやワカメの養殖棚も津波で流され、コミュニティーもばらばらになりました。でも太鼓を聴くと、表情が和んで心が一つになれる。これが地域の芸の力なんだとつくづく感じています。

◎南三陸ハマーレ歌津(気仙沼線BRT)

 歌津魚竜太鼓は8月4日の「歌津夏祭り」で披露される。会場の南三陸ハマーレ歌津は、気仙沼線BRTの歌津駅から歩いてすぐの所。高台にある駅舎は津波の被災を免れた。志津川中央団地から歌津までのBRT約7キロは今年6月15日、信号のない専用道で結ばれた。
(文・写真 高橋諒)


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2019年07月28日日曜日


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