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ポスト復興期、財政支援に不安 健康づくり、思い出品返却…継続に壁 陸前高田の被災者支援団体

岩手県陸前高田市で震災拾得物の返却事業に取り組む団体の事務所

 東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市の被災者支援団体が、復興・創生期間終了後の財政支援に不安を募らせている。3月に現地を視察した安倍晋三首相は「復興期間後も心のケアなどにしっかりと取り組まなければならない」と表明。しかし国の枠組みが定まらず、市も予算措置をためらっている。

 市は6月、復興計画の後継となる総合計画(2019〜28年度)に従って当面3カ年分の各事業費を示した。土地区画整理は21年度も事業費を計上する一方、地域コミュニティーを再構築する「被災者見守り・交流推進事業」や心のケアを目的とする「震災拾得物返還促進事業」への予算配分は見送った。
 両事業の財源は、復興庁の被災者支援総合交付金で賄われてきた。国の復興・創生期間は20年度で終了する。市は「21年度以降の財源が不確定。事業を完了させなければならない区画整理とは性格が異なる」と説明する。
 震災後に設立したNPO法人「りくカフェ」は、被災者見守り事業の補助を得て市民の健康増進に取り組んでいる。自立した運営は難しく、民間の助成メニューは減少傾向。催しの参加者に負担増を強いることもできない。
 鵜浦淳子理事は「健康づくりは続けてこそ意味がある。住宅再建後の新たなコミュニティー形成もこれからなのに…」と困惑する。
 震災がれきの中から見つかった写真や物品を持ち主らに返却する事業は、財源不足でいったん終了し、その後、復興庁が財政支援に乗り出した。
 事業を受託する一般社団法人「三陸アーカイブ減災センター」によると、18年9月の事業再開以降、7カ月間に約700人が返却会場を訪れた。震災から一定の時間が経過し、ようやく思い出の品を捜す心境になれた人も多いという。
 「被災者やご遺族のニーズは高い。効果的で持続的な事業とするため自治体間連携も考えたい」と秋山真理代表理事。寄付を集める予定だが、活動を継続できるかどうか焦りは募るばかりだ。


2019年07月28日日曜日


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