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<東京検分録>内閣官房参与 復興へ首相に直言継続を

 内閣官房参与は、専門的な立場から首相に助言する直属のブレーンだ。東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の風化が永田町で進む中、事あるごとに「全閣僚が復興相」と語る安倍晋三首相の思いは本物なのか。復興再生に携わる参与2人の働きぶりから実情を探った。
 岡本全勝氏(64)は2016年、復興庁事務次官の退任と同時に参与に任命された。国の出先機関を集約した福島復興再生総局の事務局長として円滑に指揮するための人事的な配慮。「総理を悩ませず、手前で悩むのが私の仕事。市町村長のよろず相談、苦情承り所」と自らの役割を例える。
 震災直後から復興行政に関わる岡本氏。「福島はまだまだこれから。国の責任で暮らしとにぎわいを取り戻す長い闘いと繰り返し申し上げている」と説明し、「総理の情熱は変わっていない」と断言する。
 新党改革代表を務めた荒井広幸氏(61)=田村市出身=は参院選で落選し一線を退いた17年、参与に就いた。安倍首相とは1993年の衆院初当選同期。互いの秘書時代を含めると約30年の付き合いになる。
 担当する「地域活性化等」の「等」が霞が関的な知恵。「全ての分野で意見を言ってもらいたい」と首相から受けた指示を明かし、「時には耳の痛い話もしつつ、解決策を提示することを心掛けてきた」と話す。
 福島出身として脱原発を訴える荒井氏は「何遍も具申している。首相は『なくす』とまで言っていないが、気持ちは共有していると思う」と指摘。(1)原発事故の教訓を踏まえた関連死対策の見直し(2)復興・創生期間後を見据えた二人三脚の被災者支援−といったプランを温めている。
 参与は現在12人。非常勤の国家公務員で人数や任期の規定はない。「首相の威を借りて非公式な権限を振るう恐れがある」との批判もあるが、被災地にとっては首相に直言できる貴重な存在であるのも確かだ。
 与党は復興庁の設置期限終了後も現在のまま存続を求める方向に転換した。復興に真に必要な事業や財源の確保に向け、両氏には定期的な献策を望みたい。
(東京支社・瀬川元章)


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2019年07月29日月曜日


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