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個人情報保護規定は名ばかり 庄内みどり農協、弁護士会是正勧告を山形県に報告せず

 庄内みどり農協(山形県酒田市)の組合員114人がコメ販売代金の正当な精算を求めた訴訟を巡り、農協が個人情報の漏えいや提訴妨害などの人権侵害を繰り返しているとして山形県弁護士会が是正勧告した問題で、農協は個人情報保護のため自ら定めている諸規定に沿った対応を全く取っていないことが29日、分かった。

 個人情報に関する農協の諸規定は表の通り。このうち「個人情報取扱規程」は個人情報保護法違反の恐れのある事案を把握した場合、専務理事が県に報告し、総合企画部長が速やかに被害者に通知するか、事案を公表することなどを定めている。
 県弁護士会の調査によると、農協は訴訟に参加する組合員の名簿を秘密裏に作成し、戸別訪問するなどして組織的に提訴を妨害。9日提出した勧告・要望書では「組合員らの意に反して個人情報を目的外利用した」「みだりに個人情報を第三者に漏えいさせた」などと認定した。
 県によると、農協から個人情報漏えいについて県弁護士会から勧告を受けたとの報告はなく、報道を受けて県側が問い合わせて初めて事実関係を確認した。
 県弁護士会の調査で個人情報漏えいが認定された組合員43人に対しても29日現在、農協から連絡はなく、努力義務としている事実関係の公表もしていないとみられる。
 勧告・要望書で、専務理事は地元の有力者を伴うなどして組合員を戸別訪問し、訴訟参加の撤回を求めた当事者と認定されている。総合企画部長もコメ精算を巡る組合員との協議や訴訟対応を担った中心的な職員の一人だった。
 原告の組合員は「2人に自分自身がやってきたことを客観視できるとは思えない。県弁護士会から是正を求められても、何の対応もできないのが今の農協の現状だ」と指摘する。
 農協は「取材は受けない」としている。

係争中言及せず 山形県農協中央会

 庄内みどり農協の組合員がコメ販売代金の正当な精算を求めた訴訟を巡り、農協が原告の組合員に人権侵害を繰り返している問題で、山形県内の農協の指導監督に当たる県農協中央会の後藤雅喜参事は29日の定例記者会見で「現在係争中であり、申し上げることはない」と述べた。


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2019年07月30日火曜日


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