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<手倉森浩の蹴球浩論>新布陣の成果 継続を

 仙台は第20節を終え、7勝2分け11敗の13位。開幕から10戦で2勝1分け7敗と不振を極めた時から盛り返してきた。布陣をオーソドックスな「4−4−2」に変えた成果が出ている。新布陣で発揮できた粘り強い戦いを夏場でも継続できるかが上位進出の鍵となるだろう。

<選手戦いやすく>
 20日のアウェーC大阪戦は今後に期待できる戦いぶりだった。前節まで4戦無敗と好調な相手に0−0でドロー。それまで敵地で1勝8敗と苦しんだことを考えたら大きな前進だろう。2戦ぶりに復帰したシマオマテが高い身体能力で相手の攻撃を封じ、欧州移籍した日本代表GKシュミットに代わって新加入したヤクブスウォビィクは2度のビッグセーブ。シュミットの穴埋めを上回る高い能力を見せた。
 布陣が変わった第9節のG大阪戦から、選手が戦いやすくなったように見える。守備では対人プレーの対応力が上がってプレスをかけやすくなり、攻撃もサイドでサイドバック(SB)が前線に加わって厚みが増した。光るのは永戸。左SBからの攻撃参加はもちろん、守備でも1対1の局面で強さを発揮できている。一緒に観戦した日本代表の斎藤俊秀コーチ(元清水など)も「彼の守備は日本選手の手本になる」と高く評価していた。
 シマオマテ、平岡のCBコンビも力強い。特にシマオマテはあそこまでやれるとは思わなかった。スペイン1部のレバンテでプレーした経験はだてじゃない。ボールを保持する相手に良いプレッシャーをかけることで、平岡が次の展開を読みやすくなっている。シマオマテがけがで欠場した第19節の鹿島戦で0−4と大敗したことで、彼の存在感の大きさを改めて感じた。

<正念場へ総力戦>
 上昇気流に乗ってきたように見えるが、ここからが正念場だ。8月はリーグ戦5試合、天皇杯1試合と計6試合がひしめく。ここに来てめっきり暑くなり、体力の消耗は避けられない。固定の選手だけで乗り切るのは難しく、戦力の底上げによる総力戦で挑まなければならない。
 ヤクブスウォビィクを含む3人を補強したのは、既存の選手に奮起を求める首脳陣のメッセージではないか。ブラジル人FWのジオゴアコスタはゴール前の位置取りがうまく、ジャーメインや阿部がけがから復帰すれば前線のレギュラー争いは激しさを増すはず。札幌から移籍した中原は攻撃的なボランチで、引いた位置取りが目立つ松下や椎橋ら中盤の選手にさらなる積極性を促す意図を感じる。
 8月の結果でリーグ戦の大勢が決まるだろう。選手たちには全員に好機が来ることを信じ、良い準備をして夏の決戦に臨んでほしい。
(日本サッカー協会東北地域統括ユースダイレクター)


2019年07月31日水曜日


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