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<学力テスト>東北6県分析 生活習慣アンケート

東北6県・政令市の全国学力テスト平均正答率 〔注〕単位は%。数値は公立校分。かっこ内は18年度に実施された国語、算数、数学のA問題の平均正答率。宮城は仙台を含む

◎青森/算数と数学平均以上

 小学校は国語が全国平均を6ポイント上回り、全国4位だった。算数も平均を上回った。中学校では国語と数学が平均以上だったものの、初めて実施された英語は平均を1ポイント下回った。
 県教委は「全ての教科で全国平均を上回るか同程度であり、おおむね良好な状況である」と評価。要因として、各教科の学習に対する意欲を示す割合が、全国平均を上回っていることを挙げた上で「各学校が積極的に授業改善を行い、きめ細かな指導を積み重ねてきたことなどによる」とした。
 中でも小学校の国語が全国上位となったことについて「文部科学省が示す『主体的で対話的な深い学び』に留意した授業ができている」と分析する。
 平均を下回った中学校の英語に関しては「(平均より)極端に落ちている分野はない」と話した。

<家庭学習 中学生低調>
 「国語の授業で自分の考えを話したり書いたりするとき、話や文章の組み立てを工夫している」と答えた小学生は全国平均を5.6ポイント上回った。
 一方、授業以外で1日に2時間以上勉強している中学生は平均を12.5ポイント下回る23.0%にとどまった。県教委は「小中とも『家庭学習に計画的に取り組んでいる』と答えた割合は全国より高い。しっかり指導されている」と説明した。

◎岩手/数学と英語全国下位

 小中学校とも国語は全国平均を上回った。小学校の算数は平均をやや下回り、中学校の数学、英語は全国下位。
 国語は小中学校とも文章の内容把握や読解を通して自分の考えを持つことができている。小学校は全ての問題で無回答率が全国を下回った。
 小学校の算数は、足し算と掛け算を混合した計算や割り算式の意味を問う問題の正答率が低かった。中学校の数学は、連立2元1次方程式の正答率が全国平均を約10ポイント下回っており、基礎的な問題解決力に課題を残した。
 中学校の英語は、提示された情報を元に記述しなければならない技能統合力を試す問題で無回答が目立った。
 県教委は「個人個人のつまずきに対応した取り組みを進める必要がある。基本の反復指導と同時に児童生徒の意欲を育てたい」としている。

<自己肯定感認識に差>
 家庭学習が1時間未満の割合は小学生で22.9%、中学生で35.9%。小学生は全国平均より11.1ポイント低いが、中学生は5.9ポイント高かった。
 自己肯定感は小学生で80.5%、中学生で72.6%。ともに全国平均を下回ったが、学校側から見た児童生徒を肯定する取り組みの実施率は全国平均を上回った。県教委は「子どもと教員の認識差を分析する必要がある」としている。

◎宮城/算数また平均下回る

 小学校は国語、算数の両教科でいずれも2ポイントずつ全国平均を下回った。前年度と比べマイナス幅は縮まったものの、算数は現行形式となった2013年以来、6年連続で平均点に届かなかった。
 問題別の正答率は国語、算数ともに全国の傾向に近いが、国語は漢字の書き取りや接続語の使い方、算数では記述式やグラフの読み取りの問題で特に正答率が低かった。
 中学校は前年度と同様に国語が平均を上回り、全ての領域で偏りなく得点した。数学は平均を2ポイント下回った。反比例の数式を導き出す問題や連立方程式、確率などの問題で正答率が低く、県教委は「いずれも基礎的な分野で、基本が十分に身に付いていない」と指摘した。初実施の英語は「書くこと」の正答率が全国平均を3ポイント下回った。「聞くこと」「読むこと」も平均に達しなかった。

<行事参加の割合高い>
 自宅で計画を立てて勉強すると答えた小学生は75.6%、中学生が55.7%。全国平均をそれぞれ4.1ポイント、5.3ポイント上回り、県教委は「家庭学習の習慣が定着しつつある」と分析する。学校の授業時間以外の勉強時間は、小中とも全国平均より短い傾向にある。
 居住する地域の行事に参加している割合は、小中とも全国平均より高くなっている。

◎秋田/小中国語トップ維持

 小中学校の全科目の正答率が全国平均を上回り、例年と同じく全国トップクラスの成績を収めた。小中ともに、全ての問題で無回答率が全国平均を下回った。
 小学校の国語は全国平均を10ポイント上回り、昨年に続いて全国トップ。「話すこと・聞くこと」などで平均を大きく上回る一方、同音異義語の意味の違いを捉えて文脈の中で使い分けることなどに課題が見られた。算数は3ポイント上回った。
 中学校の国語も全国平均を5ポイント上回り、全国1位。数学は5ポイント上回った。今年から追加された英語は正答率が全国平均を1ポイント上回ったが、「書くこと」がわずかに平均を下回った。
 県教委は「これまでの授業改善の取り組みが効果を発揮している」と評価する。今回の結果を基に検証改善委員会で課題を分析し、12月の県学習状況調査で改善状況を把握する方針。

<望ましい環境が定着>
 自宅で計画を立てて勉強していると答えたのは小学生86.1%、中学生66.7%でそれぞれ全国平均を14.6ポイント、16.3ポイント上回った。小中ともに「課題の解決に向けて考えて取り組んでいる」「授業で学んだことを他の学習に生かしている」と答えた割合も高かった。
 県教委は「学校と家庭、地域が連携して望ましい学習環境が定着している」と分析する。
◎山形/長い英文読解が苦手

 小学校の国語のみ全国平均を2ポイント上回り、中学校は同程度だった。漢字や接続詞など基本的な知識は定着しているが、文章の展開に即した情報の理解に課題が残った。
 小学校の算数と中学校の数学はいずれも2ポイント全国平均を下回った。数学はグラフの情報を具体的な場面で捉える力に弱さが見られた。中学校の英語は全国平均との差が最も大きく、3ポイント低かった。短い英文は理解できるが、長い英文を理解しきれない傾向があった。
 県教委は各科目で学力テストの過去問から苦手な傾向にある設問をまとめた問題集や生徒に付けさせたい力を例示して指導に生かしてもらう「評価問題」を作成、各学校に配布してきた。県教委は「一定の効果はあったが、使いやすさの面で課題もあると聞いている。現場と意見交換して改善していく」と説明する。

<読書や新聞に親しむ>
 計画を立てて勉強していると答えた割合は、全国平均より小学生で6.5ポイント、中学生で5.7ポイント高かった。1日30分以上読書をする割合や週1回以上新聞を読む割合も全国平均を上回った。
 県教委は、地域行事に参加している小中学生の割合が全国平均より10ポイント以上高いことを踏まえ、「家庭や地域が一体となって子どもたちを育てていると言えるのではないか」と分析している。

◎福島/国語苦手分野が改善

 小中学校ともに国語はおおむね全国平均だった一方、小学校の算数、中学校の数学と英語は全国平均を下回った。
 小学校の国語は自分の考えの理由を明確にして文章を書くこと、算数は問題文の中から必要な数量を選んで式を立てることにそれぞれ課題があった。
 中学校の国語は、苦手分野だった書くことの領域の正答率が全国平均に達するなど改善傾向が見られた。英語は記述式問題の正答率が全国平均の7割弱に低迷し無回答率も高かったため、英文作成への抵抗感を減らす指導が求められる。
 中学校の数学は全国下位グループ。全領域で正答率が全国水準に届かず、変化する二つの数量の関係を表や式、グラフで表現する能力に弱さがあった。県教委は「数学が低い傾向は数年前からで、本年度、教員の授業プラン作成の支援制度を導入した」と強調する。

<計画立て勉強増える>
 授業が「よく分かる」と回答する子どもは国語、算数・数学ともに増加傾向にあり、特に国語は小中学校で全国平均を上回った。自分で計画を立てて勉強している子どもの割合は小学校が5年前と比べ12.8ポイント増の77.9%、中学校が6.3ポイント増の52.4%と継続的に増えている。
 自分の考えが伝わるよう工夫して発表した子どもの割合は中学校で全国平均を下回り、小学校と開きがある。


[全国学力テスト] 正式名称は「全国学力・学習状況調査」。文部科学省が2007年度から実施。小学6年と中学3年の全員を対象とし、国語と算数・数学のほか、12年度から3年に1度、理科を加えている。国語と算数・数学は基礎知識を問う「A問題」と活用力を測る「B問題」に分かれていたが、今回から双方を一体的に問う形式になった。今年初めて中3で導入された英語は今後、3年に1度程度実施する予定。児童生徒や学校に学習意欲や生活習慣、指導上の工夫などを尋ねるアンケートも毎回行っている。学校別成績などを公表する際は、過度な競争を招かないよう配慮を求めている。


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2019年08月01日木曜日


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