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「命預かる意識低すぎる」高速バス運転手証言 増員せず増便負担増

 「人命を預かっているという意識が低すぎる」。一関労基署からの是正勧告について、東日本急行一関営業所に勤務する運転手男性(58)=岩手県一関市=が憤る。
 男性は岩手急行バスで15年間、仙台−一関、金成線の運転手を務めた。今年2月、東日本急行に運行が委ねられる4月以降は担当路線を毎日2便増やすと通達された。「増員しなければ増便は無理だ」と男性は労基署に相談した。
 運転時間が延びた4月以降、高速道路でインターチェンジを通り過ぎるなどミスが相次いだ。同じ路線でほとんどなかったことだ。
 会社は7月上旬、労基署から労使協定(三六協定)違反を指摘された。会社の幹部は「これまでの三六協定は破棄する」と言ってきたという。
 男性が営業所と結んだ三六協定は、労働時間の上限を、国がバス運転手の拘束時間の上限とする「1週間当たり平均最大71.5時間」と同時間に定めていた。
 「長時間労働は改善されていないのに、言っている意味が分からなかった。会社はそもそも三六協定の意味さえ理解していないのではないか」。男性はあきれ返る。
 バス業界での不当な労働時間管理は、今回に限らない可能性もある。関係者によると、バスプールの空き待ちで周囲を走り回る場合なども、一部事業者は休憩時間に含めているという。国が基準に定める「4時間以上の運転で休憩30分」は事実上守られていないことになる。
 バス運転手は給与に占める残業代の割合が高く、収入を維持するため長時間労働に不服を示さないケースも多いとされる。男性は「人命が失われる前に業界全体で問題に向き合うべきだ」と訴える。


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2019年08月02日金曜日


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