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南相馬の老舗菓子店「松月堂」8年5ヵ月ぶり悲願の本店再開 新商品「野馬追焼」も発売

再開と同時に大勢が詰め掛けた松月堂本店

 東京電力福島第1原発事故で休店を余儀なくされた福島県南相馬市小高区の老舗菓子店「松月堂」が1日、区内の本店で8年5カ月ぶりに営業を再開した。看板商品の焼き菓子「浮城(ふじょう)」に加え、再出発を祝い和菓子「相馬野馬追焼」を新発売。開店前後に約50人が並び、にぎわった。
 創業約110年の本店は第1原発20キロ圏内で、代表取締役の横川徳明さん(72)ら家族も避難を強いられた。2013年には隣接する原町区で店を構えたが、本店再開が悲願だった。
 新商品の相馬野馬追焼は片面に野馬追の図柄をあしらい、もう一方に市内で整備が進む福島ロボットテストフィールド(RTF)のロゴマークを用いた。あずき、かぼちゃ、きなこあんの3種で1個130円(税別、3日まで100円)。
 福島イノベーション・コースト構想推進機構によると、RTFの名称使用の第1弾。昨年6月からの1年間で国内外から約6900人が訪れたRTFをPRするとともに、土産などで活用してもらう考え。
 小高区は16年7月にほぼ全域で避難指示が解除され、3年が経過した。現在区内に暮らすのは約3600人で、震災前の3割弱。
 横川さんは「商圏としては厳しいが、いろいろアイデアを駆使したい。ほかの業者にも戻ってきたい、ここでやりたいという気持ちを持ってもらえるよう頑張りたい」と語った。
 今春帰還した近くの主婦小林信子さん(77)はシュークリームなどを買い「自宅の周りは戻った人が少なくて寂しい。でも、こうして店の明かりがつくとうれしい」と話した。


2019年08月02日金曜日


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