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耳たぶの体温で暑熱ストレス計測 東北大などシステム研究

 炎天下で働く建設作業員の熱中症対策として、東北大医工学研究科と民間企業が、作業員の耳たぶの体温で暑熱ストレスを可視化するシステムを共同で開発している。暑さへの耐性は個人差が大きく、客観的な指標が求められていた。7〜8月に東京などの工事現場で実証実験を行い、来年夏の実用化を目指す。

 熱中症による救急搬送者数は増加傾向にある。特に猛暑だった昨年5〜9月の全国の救急搬送者数は前年同期比約1.8倍の約9万5000人、死者は約3.3倍の160人を記録した。建設現場の熱中症対策は注意喚起が中心で、個人の暑熱ストレスの把握は困難だった。
 共同研究では、医工学研究科の永富良一教授(健康科学)らが専門知識を生かしてシステム開発を担う。医療患者の支援プログラムを手がけるシミックヘルスケア(東京)が、製品化や機器の販売を手掛ける。
 暑熱ストレスは、脳の温度との相関性が高い。東北大の特許技術を活用し、作業員の耳たぶに付けたセンサーで推定される(1)脳の温度(2)活動量(3)周辺の温度変化を測定。インターネットのクラウド上で解析し、暑熱ストレスを数値化する。
 データは建設会社の安全管理部門と現場監督の双方が常時監視し、必要に応じて休憩を取らせるなど、作業員の安全を確保する。今月から建設現場で試作機を使い実証実験する。
 医工学研究科の佐藤啓壮特任講師(応用健康科学)は「建設現場は工期の問題や作業員の職人気質もあり、無理をしがちだ。客観的なデータを共有し、適切な休息が取れる環境づくりにつなげたい」と話す。


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2019年08月05日月曜日


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