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<仙台市議会 改革のカルテ>[3]報酬・政活費/透明化へネット公開

全国20政令市議会の報酬と政務活動費
仙台市議会が公開している政務活動費の収支報告書

 月額84万円。仙台市議の報酬は全国20政令市で9番目に高い。政務活動費(政活費)は1人当たり月額35万円で、8番目に多い。
 この金額が妥当かどうか。市民が検証しやすいよう議員の活動費用を透明化する動きが広がる。

<主導権争いの末>

 仙台市議会は2017年6月、政活費のインターネット公開を決めた。18年8月、ホームページに17年度分の収支報告書、領収書、政務活動報告書を載せた。
 20政令市議会の公開状況は表の通り。16年に富山市議会で政活費の不正使用が発覚し、ネット公開が全国に波及した。県内でも同年、県議会議長の不正使用が2代続けて判明した。
 仙台がネット公開を決めた当時、議長だった岡部恒司議員は「どこでも誰でも使い道を閲覧できるようになり、議員は政活費をより慎重に使い、収支報告するようになった」と語る。
 公開に至るまでには会派間の主導権争いがあった。
 1人会派「民進党」の議員が16年6月、自身のサイトで収支や領収書を公開した。12月には共産党市議団とネット公開を義務付ける条例改正案を提出。他会派は「パフォーマンスだ」と反発し、結果的に超党派の検討会議が設置された。
 17年6月定例会は民進と共産の改正案、ほぼ同じ内容で超党派が提出した改正案が、同時に審議される不可解な現象が発生した。採決で超党派案は可決、民進と共産の案は否決された。
 共産の花木則彰幹事長は「われわれの案の趣旨が超党派案にも入り、意味はあった」と振り返る。「政活費の使途が市民に疑われないためには、成果を分かりやすく説明する必要がある」と強調する。

<不当利得を認定>

 17年2月、仙台市民オンブズマンが08年度の政務調査費(現政活費)を巡り、支出の違法性を指摘した訴訟で、判決が確定した。
 会派控室の事務費や人件費などに政務調査費を充てることに関し、判決は「調査研究と、それ以外の活動の(案分)割合を議員が立証できない場合、半額を超える支出は許されない」と不当利得を認定した。
 オンブズマン代表の畠山裕太弁護士は、判決が議員に対し、客観的資料に基づく立証責任を課した点を評価する。「立証責任が課され、手前勝手な案分割合がもう許されない。純粋な調査研究ではない経費に充てられる政活費は、2分の1までというルールが確立された」と意義を強調する。
(報道部・小木曽崇)

◎江藤俊昭教授の目/一目で分かる報告を

 政務活動費の収支報告は単に領収書を貼ればいいわけではなく、分かりやすさが大切だ。どんな地域課題を解決するため、いくら使い、どういう成果を上げたのか。首長側への質問にどう生かし、どんな効果を地域にもたらすのか、報告書に明記すべきだ。一目で分からないから市民の不信感を招き、ネット公開を迫られている。報告書を見慣れていない市民も分かる書き方に改める必要がある。


2019年08月05日月曜日


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