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復興庁存続を被災3県首長が歓迎 一方で予算確保に懸念も

 自民、公明両党が2020年度末に設置期限を迎える復興庁を当面存続させるよう安倍晋三首相に提言した5日、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島3県の首長は司令塔の継続を歓迎した。一方で、存続期間や財源確保の見通しなどに対して不安ものぞかせた。

 村井嘉浩宮城県知事は5日の定例記者会見で「被災地の声を受け止めてもらった」と評価。「地域コミュニティーの再生など長期の課題が残る。財政面を含め、柔軟な対応ができる体制を望む」と語った。
 インフラ整備や被災者の心のケアが続く見通しになったことに安堵(あんど)の声が上がった。宮城県南三陸町の佐藤仁町長は「ソフト面の復興が進むのでは」と期待を寄せた。
 石巻市の亀山紘市長は「被災地にとって明るいニュース」と歓迎しつつ「復興・創生期間内に終わらない事業も出てくる。予算を継続的に確保できるかどうか心配だ」と話した。
 復興庁が市町村の要望を聞く「窓口」にとどまる現状への不満は根強い。南相馬市の門馬和夫市長は「二重構造に対しての懸念はある」と語った。
 岩手県の達増拓也知事も「事業が各省庁でばらばらに行われれば、これまで進んできた復興が廃れる」と強調。「リーダーシップを発揮し、被災地の自治体が必要としていることを国として把握できる体制を期待したい」とくぎを刺した。
 復興庁存続の主眼は、東京電力福島第1原発事故の影響が残る福島の再生にあるとされる。津波被害に遭った沿岸自治体には、存続の枠組みを不安視する向きもある。
 陸前高田市の戸羽太市長は「復興交付金制度など何がどう残るのか明確でない。財源も新たなものではなく、これまでの枠組みが基本になるのではないか」と懸念。防災集団移転跡地の利活用などの課題を挙げ「政府の動向を注視する。要望すべきところはきちんと要望する」と語った。


2019年08月06日火曜日


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