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<色麻町長選>窮迫する財政 問われる手腕

 【解説】色麻町長選は12年ぶりの無投票となった。現職の早坂利悦氏は政策的な争点を浮かび上がらせず、対抗馬を擁立する機運を阻んで再選した。
 1期目は結婚支援センター開設や給食費の一部補助など少子化対策のソフト事業を中心に展開。公約の大半を着実に実行したが、2期目に向かう実績としてはややアピール力に欠けた。
 それでも昨年12月に早々と立候補表明し、「1期目は地ならし」とする空気を醸成することに成功。町民も、デジタル無線網事業破綻に代表されるように、20年続いた前町政の後処理に追われた面を考慮した。
 参院選のさなか、無風状態で迎えた7月中旬の決起集会には村井嘉浩知事や国会議員、周辺の首長らが駆け付けた。町議時代を含め、長い政治経験で培った人脈の広さを印象付けた。
 平成の大合併に参加せず自立を選んだ町の財政は窮迫している。公立加美病院の負担金などが重荷となり、自治体の財政基盤の強さを示す財政力指数は0.29と県内最低の水準が続く。
 隣接する大和町、大衡村に続けと工業団地を整備し、企業誘致に活路を見いだそうとするが、先行き不透明感は拭えない。指導力や情報発信力で手腕の真価が問われる2期目になる。
(加美支局・佐藤理史)

◎スポット/色麻町長に再選した早坂利悦さん/認定こども園整備に力

 町の人口はこの4年間で7000人を割り込んだ。「将来世代に大きなつけは残せない。身の丈に合った行政運営を着実にしていく」と意気込みを語る。
 モットーは「人への投資が郷土をつくる」。昨年34人にとどまった出生数を押し上げようと、少子化対策や子育て支援に力を注ぐ。中学生の海外派遣事業や給食費の一部助成を推し進め、2期目は認定こども園整備に取り掛かる。
 愛読書は、吉田茂を中心とする保守本流の政治家らを描いた戸川猪佐武の「小説吉田学校」。色麻町吉田の自宅で妻、母と3人暮らし。

[はやさか・りえつ]1949年8月7日、色麻町生まれ。小牛田農林高卒。76年に町議に初当選し通算7期。町長選2度目の挑戦となった2015年に初当選。70歳。


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2019年08月07日水曜日


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