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メガホン/世界の常識

 日本の常識が世界の常識とは限らない。フェンシングのフルーレに、そう感じる一面がある。
 フルーレの大きな特徴は攻撃に優先権があることだ。2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会のホームページの見どころ紹介には、「先に腕を伸ばして剣先を相手に向けた選手が優先権を獲得する。相手は剣を払ったりたたいたりして防御することで優先権が移行し、すかさず反撃に転じる」とある。
 実際は優先権を持っていても、相手に突きを決められると失点する。多くの海外選手は優先権がなくても問答無用に突いてくる。ジュニア世代から指導が徹底されている。
 基本に忠実な日本人は思わぬタイミングで反撃に遭い、面食らう。元世界ランキング日本人女子トップの狩野愛巳(22)=日清製粉グループ本社、仙台三高−早大出=は「日本では『ちゃんと優先権を取ってから突きましょう』と教わるので最初は戸惑う」と説明する。
 狩野は海外のスタイルを「せこい」と表現するが、「勝つにはせこくてなんぼ」と認める。2年前に右手首を負傷し、治療やリハビリの間に試合勘が鈍った。東京五輪を目指し、かつて身に付けていた「せこさ」を取り戻そうと練習に励む。(佐藤夏樹)


2019年08月08日木曜日


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