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<参院選秋田>地上イージス与党候補落選 支援の佐竹知事動向注目

参院選の期間中、秋田県庁前で中泉候補(右)と握手する佐竹知事

 佐竹敬久秋田県知事は、参院選秋田選挙区(改選数1)で再選を逃した自民党の中泉松司氏(40)を選挙戦で全面支援した。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を巡る防衛省との再協議が控える中、秋田市への配備を目指す政権与党の公認候補を堂々と推す政治的バランス感覚はどうだったのか。配備反対を訴え当選した寺田静氏(44)との関係構築を含め、県政トップの今後の立ち回りに注目が集まる。

◎配備賛成の印象も/県政に影響「ない」

 「どんなことがあっても当選させるのは、われわれの使命だ」。3月にあった中泉氏の大規模集会。登壇した佐竹知事は再選に向けた支援を約束した。
 知事は県職員時代から中泉氏の父の元県議会議長松之助氏と親交があった。「『松司は俺が育てる』と言ったこともある」との言葉には私情もにじんだ。
 今回の参院選まで県内の衆参5議席を独占していた自民の支持基盤に知事の支援も加わり、中泉氏陣営の視界は良好かに見えた。だが寺田氏が3月に出馬表明したころから、状況はじわじわと険しさを増した。
 寺田氏の夫の学氏は衆院議員(比例東北)。義父の典城氏は元知事。自民は「寺田家」の知名度も警戒して4月に秋田を「激戦区」に格上げし、てこ入れを急いだ。公示1カ月前の6月上旬には、地上イージスに関する防衛省の報告書に重大な数値ミスが発覚。陣営にとって逆風となった。
 謝罪に訪れた岩屋毅防衛相に対し、佐竹知事は「配備の議論はマイナスからのスタートだ」と突き放した。そうした流れの中、6月27日の記者会見で参院選への対応を問われると「私は中泉君(を支持する)」とためらいなく語った。
 選挙戦では遊説に同行してマイクを握り、選対の運営に注文をつけることもあったという。関係者は「知事がこんなに力を入れた選挙は初めて。まるで選対の一員だった」と明かす。
 中泉氏も演説で防衛省を批判し知事との連帯感を演出したが、競り負けた。
 選挙後の最初の定例会見となった7月29日、佐竹知事は「残念だが、結果を素直に受け止めることが必要だ」と述べた。地上イージスが逆風になった点を挙げ「自民は守り、寺田氏は攻めの選挙だった」と分析した。
 配備の可否に関する自らの考えを示さないまま前のめりになって自民候補を支援した知事。県議会野党会派からは「配備受け入れに賛成と県民に受け止められかねない」などと批判的な声も挙がる。
 そうした心配は自分の中にはなかったのか。29日の会見で佐竹知事はこれまで通り防衛省への批判も忘れず、今後の県政界への影響を尋ねられると「ないない」と手を振って否定した。


2019年08月08日木曜日


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