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被災3県の防災集団移転跡地 3割が利用未定 自治体アンケート

 東日本大震災の防災集団移転促進事業で自治体が買い取った被災跡地を巡り、岩手、宮城、福島3県で3月末現在、具体的な利用の見通しが立っていない土地が少なくとも計約650ヘクタールあることが、河北新報社の自治体アンケートで分かった。買い取り地全体の3割に及び、維持管理の負担を懸念する自治体側は利用促進のため、復興交付金の柔軟運用などを国に求めている。(大船渡支局・坂井直人)

 アンケートは事業を導入した26市町に実施。買い取り地は3県全体の対象跡地計2244ヘクタールの約94%で、利用面積を算出していない相馬市を除いて集計した。
 3県で利用のめどが立っていない土地の面積と割合は表の通り。一方、利用済みも含めて見通しが立った土地は3県で計約1376ヘクタールあり、用途内訳はグラフの通り。内訳を算出していない宮城県南三陸町を除いた。
 跡地の買い取りは被災者支援などが狙いだが、自治体は不要な土地も抱えることになった。国は集約化を進めて利活用を図ろうと、公有地と交換した民有地所有者に免税措置を講じたり、事例集を作ったりしている。
 アンケートでは自治体から、取得した跡地周辺の民有地購入や測量、不動産鑑定などへの財政支援に関する要望が上がった。
 「事前に最低限の整地やインフラ整備をしたいが、具体的な利用計画が決定していないと予算が付かない」(岩手県山田町)「土地区画整理と同程度の換地手法の新設が必要」(宮城県女川町)といった意見もあった。
 草刈りなどの維持管理費が昨年度1年間で約3000万円かかった市もあった。復興工事の資材置き場などで一時活用する例もあるが、将来負担を懸念する。
 渡辺博道復興相は6月、視察先の陸前高田市で跡地利用促進などの要望を受け「大変重要な課題だ。具体的なニーズを踏まえ、自治体が考える土地利用を支援したい。土地の集約、情報発信なども一緒になって進める」と強調した。


2019年08月08日木曜日


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