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被災3県の防災集団移転跡地 利活用進展に地域差

利用のめどが立っていない大船渡市の防災集団移転跡地

◎「大商圏近い」仙台8割超めど/「幹線道遠い」大船渡難航4割

 東日本大震災の防災集団移転跡地を巡り、河北新報社が実施した自治体アンケート(3月末現在)では、跡地の利活用の進み具合に大きな地域差があることが分かった。

 108.5ヘクタールの広大な跡地を抱える仙台市は8割以上で利用見通しが立った。一般公募する利活用事業では、31区画44.3ヘクタールのうち25区画40.9ヘクタールで事業候補者を決定。体験型観光果樹園、ビオトープ、飲食店や温泉を含む複合施設、ドッグランなどに利用する。
 市は決定事業者に通常より安く市有地を貸し、国の復興交付金を活用して造成工事も実施する。市の担当者は「大商圏に近いなど立地の良さがあるのではないか」と、引き合いが強い理由を推測する。
 一方、リアス式の入り組んだ地形の大船渡市で利用見通しが立ったのは、取得した跡地24.6ヘクタールの4割にとどまる。地権者の同意を得た周辺地も含め計8.69ヘクタールで事業者を募集中だが、利用が固まったのは約1ヘクタール。市の担当者は「主要幹線道路から遠く、整地もされていない」と話す。
 大船渡市では、条件付きで住宅を建てられる災害危険区域のエリアもある。ただ、国は移転跡地全てで住宅建設を認めず、用途が制限される。
 離島を抱える塩釜市の利用見通しも跡地4.2ヘクタールの5割に満たない。市の担当者は「広場などを整備するにも住民の高齢化で管理者が見つからない。松島の景観規制もある」と苦慮する。
 東京電力福島第1原発事故で住民避難を強いられた福島県富岡町は1割しか利用のめどが立たず、楢葉町はゼロ。富岡町の担当者は「住民の帰還もまだ進んでおらず、跡地利用まで手が回らない」と打ち明ける。


2019年08月08日木曜日


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