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新相馬節、地域で守る 民謡歌手2代目鈴木正夫さん6月に死去 しのぶ会で住民ら誓い

宮城県丸森町大内地区で開かれた2代目鈴木正夫さんをしのぶ会。多くの住民が別れを惜しんだ

 民謡歌手2代目鈴木正夫さん(本名菊地秀(まさる)、福島県新地町)が6月に81歳で亡くなり、宮城県丸森町の大内地区が悲しみに包まれている。「新相馬節」などで知られる父の初代鈴木正夫(1900〜61年)が大内地区の出身。鈴木さんは父の故郷で活動し、相馬民謡の伝統を支えていた。大内地区でしのぶ会が開かれ、住民が地域の民謡文化を守ると誓った。
 鈴木さんは6月19日に南相馬市内の病院で死去した。数日前に体の不調を訴え、搬送されていた。
 7月28日に開かれたしのぶ会には約90人が参列。「大内中央民謡会」の富倉守会長(67)が「大内を愛し、地域の発展に尽力してくれた。鈴木先生の思いは忘れない」と追悼の言葉を述べ、参列者で新相馬節を唱和した。
 鈴木さんは60年に歌謡曲の歌手として東京でデビューし、翌年に2代目を継承した。ヒット曲に「涙のお立ち酒」がある。78年に故郷の福島県相馬地方に戻った。
 帰郷後、相馬民謡を習い始めた。富倉会長は「地元の歌い方を究めようとしていた。一流歌手なのに、住民と同じ目の高さで気さくに接してくれた」と人柄を振り返る。2017年には日本民謡協会から名人位の称号を贈られた。
 大内地区の芸能まつりに毎年出席。住民は歌や触れ合いを楽しみにしていた。今年も6月23日のまつりに出演する予定だった。
 大内地区では12年から毎年9月、初代の業績をたたえる「新相馬節全国大会」が開かれている。鈴木さんもゲストとして歌っていた。富倉会長は「大会の運営に多大な力を貸してくれた。地区で一体となって大会を続ける」と語る。
 大内地区の直売所「いきいき交流センター大内」は8月11日、駐車場で追悼の大盆踊り大会を開く。2代目鈴木さんが歌う相馬民謡を流し、別れを惜しむ。


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2019年08月08日木曜日


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