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<せんだい進行形>パン廃棄食べて削減 売れ残りネット販売に全国から注文

売れ残ったパンを店で梱包し、全国の客に直接発送する=仙台市泉区寺岡の「totomaぱん」

 売れ残ったパンを「ロスパン」と名付け、インターネットで販売するサービス「rebake(リベイク)」が、仙台市にも広がりつつある。店はやむを得ず生じさせてしまう売れ残りを廃棄せず収益につなげ、客は普段行けない遠方の店からパンを購入できる。食品ロス削減の取り組みが生んだ、パンの新しい楽しみ方だ。(報道部・天艸央子)

難しい販売予測

 仙台市泉区寺岡の「totomaぱん」は、早坂将さん(35)、年子さん(42)夫妻が営む住宅街のパン屋。店頭に並ぶのは、自家培養発酵種と山形県産の小麦を使ったカンパーニュがメイン。薪(まき)窯でじっくりと焼き上げたジューシーな味わいが売りだ。
 一般的に夏季や雨の日はパンの売れ行きが落ちるとされるが、予測は難しい。2011年の開店以来、売れ残りはラスクにするなど廃棄しない工夫をしてきた。しかし「作ったパンが誰にも届かないという現実はショックだった」と将さんは言う。
 リベイクに登録したのは今年初め。600円程度の大きめのカンパーニュを1個、中くらいのパンを2〜3個に焼き菓子のセットを2000円で販売した。反応は上々で、6月の売り上げは9万円になった。
 将さんは「遠くは鹿児島からも注文が来る。ロスパンをきっかけに、全国から買い求めてもらえるのはうれしい」と話す。

2割以上値引き

 リベイクは合同会社クアッガ(東京)が昨年12月に立ち上げた。日持ちするパンを中心に組み合わせ、2割以上値引きして2000〜3000円で販売。パン屋がウェブ上で注文者とやりとりし、ロスパンが出れば順番に発送する。クアッガは商品価格の15%を手数料として得る仕組みだ。
 収益の一部は食品ロス削減に取り組む団体、子ども食堂など食に関わる団体に寄付する。掲載店は7月末時点で宮城、山形、福島を含む約90店。会員登録している消費者は約1万4000人に上る。
 若林区保春院前丁の「ル・モンド」も7月下旬に登録した。創業1856年の「江刺屋菓子舗」から続く老舗のパン・洋菓子店だ。
 リベイクでは200円程度のパン11個を組み合わせた1500円のセットを冷凍で送る。同店の江刺昭子さん(62)は「普通の通販と違い、こちらの都合で送れるので始めやすい。ロス削減の考え方にも共感した」と話す。
 クアッガの斉藤優也代表(28)によると、廃棄に悩むパン屋は多いが、多忙で通信販売に時間を割けない。「焼きたてを売りたい」との気持ちから二の足を踏む人も多いという。
 斉藤代表は「パンは日持ちして通販向き。ロス解決の手段として、もっと普及してほしい」と話す。連絡先は同社(メールcontact@rebake.me)。


2019年08月09日金曜日


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