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<仙台・折立中自殺>認識甘く過小評価  第三者委答申で指摘

答申後、記者会見する専門委の川端委員長(左)と委員

 仙台市青葉区の折立中2年の男子生徒が自殺した問題で、市教委の第三者機関、市いじめ問題専門委員会が9日、答申を提出した。遺族が内容を受け入れたため、市内で3件続いた中学生のいじめ自殺の事実解明に一定の区切りが付いた。

 3件の調査結果の共通点は学校がいじめに対し「重大な問題につながり得るとの認識が薄かった」(折立中答申)という指摘だ。
 2014年9月の泉区館中はいじめを「からかい」などと捉え、自殺した生徒の深刻な苦痛に気付かず対応しなかった。16年2月の同区南中山中は、いじめの申告がありながら積極的に事実を確認しなかった。
 17年4月の折立中は、再三のいじめの訴えにもかかわらず「男子生徒の言動にも問題がある」との認識にとらわれ、真剣に受け止めず、シグナルを無視した。
 事態を過小評価しようとする心理が浮かび上がる。折立中の件が発生した直後の校長の迷走ぶりに、それが端的に表れている。
 校長は男子生徒が自殺した3日後、早々と「いじめとは判断していない」と言い切った。だが、2日後に一転、いじめを認めた。
 3件に共通する教訓は他にもある。学校が加害生徒の保護者に連絡しなかったことも一つ。折立中答申は「加害生徒と被害生徒の両方の保護者から協力を得た指導がなされなかった」と対応の問題点を指摘した。
 折立中の遺族も9日の談話で「自分の子どもがいじめをしたことに納得できないのは、学校から連絡がなかったため。怠慢はあってはならない」と非難した。
 答申は「加害生徒の問題性を改善するためには適切な介入が有効。保護者の協力も得て問題点の改善に努力」するよう提言した。
 市は今年4月、いじめ防止条例を施行した。二度と悲劇を繰り返さないと社会全体で誓いを立てた形だ。
 「答申をただの紙切れにせず、しっかり生かす学校現場になってほしいと切に願う」。専門委の遺族推薦委員で、全国自死遺族連絡会の田中幸子代表理事は記者会見でこう念押しした。
 条例が効果を上げるためには、教育現場が認識を改め、答申にある提言を一つずつ実行する以外にない。
(解説=報道部・田柳暁)


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2019年08月10日土曜日


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