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<人駅一会>(10)陸前階上 気仙沼線BRT/復興願う希望のヒマワリ

 東日本大震災で分断された交通網が、長い一本の線につながろうとしている。傷跡を癒やしながら、少しずつ復興に向かう被災地の数々。点々と海沿いに続く駅を起点に訪ね歩いた。

 ◎宮城県気仙沼市長磯 熊谷心{しん}さん(36) まちづくり団体事務局長

 もう震災から8年5カ月になるんですね。早いものです。気仙沼市の階上地区は津波に襲われ、風景が一変してしまいました。建物の中で残ったのは、震災遺構になった気仙沼向洋高の旧校舎くらいです。
 そこから少し南の方にある高台には、杉ノ下地区の慰霊碑が立っています。この辺りを見渡す丘で今年、復興を願う「はるかのひまわり」が大輪の花を咲かせました。
 元々は阪神大震災の犠牲になった加藤はるかさん=当時(11)=の自宅跡に生えてきたヒマワリ。神戸市から新潟県、宮城県南三陸町とリレーし、大事に育てられてきました。
 自然の脅威を決して忘れず、命を何より大切にしようという願いのこもった種。気仙沼ではことし5月末、地元の人たちの手で植えられました。
 この丘のヒマワリの種も、いつかどこかに運ばれて花を咲かせることになるのでしょうか。ヒマワリのように私たちも震災の記憶を伝えていかなければなりません。

 気仙沼向洋高の旧校舎がある「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」は今年3月に開館した。杉ノ下地区では震災の津波で93人が犠牲となり、100回目の月命日となった今年7月11日、地元住民が語り部活動を始めた。

被災地にしっかり根を張り、夏空に向かって花を開いた「はるかのひまわり」。震災遺構と
なった気仙沼向洋高の旧校舎が、丘の向こうに見える
(文・写真 鹿野智裕)


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2019年08月11日日曜日


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