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<加美町長選>猪股氏3選 「経験・人脈で安心の町に」

3選を決め、支持者と握手する猪股氏=11日午後9時20分

 任期満了に伴う加美町長選は11日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属現職の猪股洋文氏(67)が、無所属新人で元副町長の吉田恵氏(66)を破り、3選を果たした。
 午後9時15分すぎ、同町矢越の事務所に当選確実の知らせが入ると、詰め掛けた支持者約200人から拍手が湧き起こった。迎えられた猪股氏は「培った経験と人脈をつぎ込み、安心して住み続けられる町をつくる」と抱負を語った。
 選挙戦で猪股氏は、民間音楽教育施設の誘致、アウトドアを生かした観光振興など2期8年の実績を強調。産学官連携による高齢者の足の確保や、中新田高へのスポーツコース設置などの公約を訴えた。
 吉田氏は、町議の大半や元町長らの支援を受けて「対話重視の町政への転換が必要」と刷新を訴えたが、政策の具体的な対立軸を示せず、うねりを引き起こせなかった。
 当日の有権者は1万9798人。投票率は66.48%で前回2011年を9.92ポイント下回り、過去最低となった。

◎加美町長選開票結果
(選管最終)
当 7,105 猪股 洋文 無現(3)
  5,957 吉田  恵 無新 

<論破だけでなく粘り強く対話を>
 【解説】現職猪股洋文氏が新人吉田恵氏との一騎打ちを制した。町民は、町議会とのあつれきがあっても、強いリーダーシップを示す猪股氏に引き続き町政を託した。
 猪股氏は4月には妻洋子さん(68)と朝のつじ立ちを始め、支持固めを徹底した。計43回開いたミニ集会では2期8年の実績をアピール。知名度の高さも生かし、中新田、宮崎の両地区を中心に票を集めた。
 猪股町政は典型的なトップダウン型だ。猪股氏の強みである発想力と行動力は、首長に不可欠な資質でもある。音楽やアウトドアを活用した町づくりは猪股氏の独創的なアイデアが基になっており、自主財源の乏しい町に国の補助金を呼び込む力になった。
 一方、選挙戦では「ワンマン」との批判を受け、前回2011年から約2600票減らした。町議の大半や歴代町長が吉田氏を支援した事実は重く、関係修復への努力は欠かせない。
 役場庁舎建設や東京電力福島第1原発事故で生じた汚染廃棄物処理といった難題が積み残されている。相手を論破して自説を通すだけではなく、相違を尊重して粘り強く対話を重ねる懐の深さが、3期目に求められる。
(加美支局・佐藤理史)


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2019年08月12日月曜日


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