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広がれ金華芝 寒さや塩害にも強く 京都の高校生が生産・販売

金華芝の種子を採取する生徒=7月13日、宮城県大崎市鳴子温泉

 京都府桂高(京都市西京区)の生徒たちが、宮城県石巻市の金華山にだけ自生する日本芝(ノシバ)の固有種の普及に励んでいる。県内の農場で固有種から繁殖させた「金華芝」の生産が軌道に乗り、事業を本格化させた。寒さや塩害に強いのが特長で「三陸復興国立公園の緑化などに用いてもらい、東北のブランドを確立したい」と意気込んでいる。
 取り組んでいるのは、同校のゼミ形式の授業「地球を守る新技術の開発」研究班の12人。7月13、14の両日には、活動に協力するサンケイ農産(登米市)の大崎市鳴子温泉の農場を訪れ、苗6000株を植えたり、2年前に植えた芝から手作業で種子を集めたりした。
 同班は2012年、東日本大震災の津波で運ばれたがれき混じりのヘドロを防潮堤や水田のあぜに再利用し、芝で緑化する実験を岩沼市で開始。生態系に影響を与えない在来種を探し、金華山の芝に着目した。14年以降、鳴子温泉の農場で計8万株の苗を生産し、約6ヘクタールにまで栽培面積を増やした。
 課題は利用の拡大。仙台うみの杜水族館(仙台市宮城野区)や石巻市の復興祈念公園の一部に使われたが、出荷量は計600平方メートルにとどまる。指導する片山一平教諭(61)によると、大規模緑化は茨城県つくば市、鳥取県など有名産地の芝が選ばれがちだという。
 片山教諭は「クッション性が高く、スポーツにも使える利点を知ってほしい。耕作放棄地が広がる中山間地の産業に育てたい」と話す。3年の西岡周穂さん(18)は「津波被災地が金華芝で緑いっぱいになればうれしい」と語る。


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2019年08月15日木曜日


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