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100年前の海軍訓練克明に 大正期の記録冊子を発見 宮城・登米

菊地さん方で見つかった4冊の冊子

 宮城県登米市津山町の無職菊地秀一郎さん(92)方で、大正期の海軍実地訓練の様子などを収めた複数の冊子が見つかった。秀一郎さんの父秀雄さんの遺品で、日本が国際協調を志向した約100年前の海軍の日常を撮った写真や訓練の概要を今に伝える。米軍人と交流する様子も収められ、専門家は史料としての価値を評価している。

 発見されたのは、いずれも海軍の訓練概要などを写真入りで記録した4冊で、大正期に製本したとみられる。
 「軍艦八雲練習航海記念 大正八年十月卒業海軍機関少尉候補生」と記された冊子は、A4判で約100ページ。1919年10月から約7カ月間、当時の練習艦八雲に乗った海軍の少尉候補生らが横須賀(神奈川県)を出発し、米国のホノルルやサンフランシスコなどで実施した訓練のさまざまな場面が写る。
 他の3冊の表題は「大正六年練習艦隊遠航記念」「大正八年軍艦八雲練習航海記念 第二十七期海軍機関少尉候補生」「亜港冬営記念帖」。収録された写真は計約1000枚に上る。
 軍の運動会で相撲を取ったり、現地で開かれた会食で米軍人らとテーブルを囲んだりする和やかな一幕も収められている。海路図や行程表、艦隊の配置図などの資料も添えてある。
 仙台市歴史民俗資料館学芸室長の畑井洋樹さん(47)は一部の冊子について「1919年は第1次世界大戦が終わった年。各国との交流の様子から、国際協調の機運が高まり始めていたことがうかがえる。貴重な史料だ」と評する。
 畑井さんによると、少尉候補生は将来、軍艦の運航などで指揮官となる人材。練習艦隊としての航海は海軍機関学校を卒業後に実施したものという。
 4冊は秀一郎さんの長女の主婦篠原洋子さん(65)=名取市=らが5月上旬、菊地さん方で遺品などを整理した際、たんすの中で見つけ、同資料館に持ち込んだ。
 篠原さんは「100年の時を経て、私が目にしたことが印象深い。当時の様子を知ることの大切さを感じる」と話す。43年に48歳で亡くなった秀雄さんの経歴や人柄については、これまで知らないことが多かったという。


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2019年08月16日金曜日


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