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国の新制度で非正規職員にもボーナス 財源は? 東北の自治体に危機感

 2020年4月に制度が始まる会計年度任用職員の人件費負担に自治体が戦々恐々としている。制度導入で非正規の地方公務員が期末手当(ボーナス)などの支給対象となって人件費が大幅に増えるのに、国と自治体の負担割合がいまだに決まっていないためだ。東北の自治体からも「国の計画通りにやるのは困難だ」との声が出てきた。
 「市の人件費は10億円近い増額になる」。7月下旬にあった秋田県副市長会の会合で、秋田市の石井周悦副市長が危機感をあらわにした。
 秋田市は非正規職員2280人のうち1949人が20年度、会計年度任用職員に移行する予定。期末手当の支給で20年度の人件費は7億2500万円増額となる。翌21年度には経験年数による昇給が加わり、19年度比で9億2300万円増える見込みだ。
 非正規職員が約1200人いる横手市は19年度に16億円の人件費が、20年度は22億円に膨らむ。19年度一般会計当初予算が計560億円の市で「財政的になかなか厳しい」と菊地浩昭人事課長は頭を抱える。
 17年5月に地方自治法と地方公務員法が改正され、会計年度任用職員制度の20年度施行が決定した。国は関連条例の改正を自治体に求める一方で、費用分担をどうするかを明らかにしていない。
 秋田県内のある市の担当者は「制度の趣旨は分かるが『じゃあ(増額分を)どこから出すんですか』と言いたくなる」とこぼす。
 16年の総務省調査で非正規の地方公務員は全国で64万人に上り、地方公務員全体の4分の1程度を占めた。自治体の事務補助職員や保育士、小中学校の学習支援員などあらゆる行政サービスに広がる。会計年度任用職員の対象には地域おこし協力隊員も含まれる。
 自治体は全国市長会などを通じて国に十分な財政措置を求めているが、総務省の担当者は「財政当局と調整して決める。現時点では何も申し上げられない」と言う。

[会計年度任用職員]民間企業の「同一労働同一賃金」を目指す政府方針に沿い、地方自治体の非正規職員の任用根拠として新たに位置付けられた。臨時・非常勤職員の大部分が対象となり、自治体間でばらばらな勤務条件が統一化される。期末手当などの支給によって正職員との格差解消につなげる。


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2019年08月16日金曜日


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