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<人駅一会>(11)気仙沼/浜の移ろい透かす集魚灯

イカ漁の準備をする小松さん。船上に掲げられた集魚灯が、すぐそばにそびえる防潮堤と 夏空を透かす
小松弘一さん

 東日本大震災で分断された交通網が、長い一本の線につながろうとしている。傷跡を癒やしながら、少しずつ復興に向かう被災地の数々。点々と海沿いに続く駅を起点に訪ね歩いた。

◎気仙沼市百目木 「八幡丸」船主 小松弘一(ひろいち)さん(77)

 防潮堤に遮られて、船から気仙沼の街の様子が見渡せなくなりました。コンクリートの壁に圧迫されている感じ。見えるのは空とお日さまだけだね。
 海からの眺めは年々変わっていきます。ことしの春には、気仙沼大島大橋が開通しました。沖へ出る時に見上げると、「ようやくできたんだな」と感慨ひとしおになります。
 東日本大震災の前も後もイカ漁をやっています。地震が起きてすぐ船を沖に出そうと思いましたが、「死ぬぞ」と仲間に言われてやめました。船はもうだめだろうと諦めていたら、高台で見つかった。いくらか壊れていましたが、修理して今も使っています。
 昔から知恵を絞って漁に出てきました。特にイカ漁の集魚灯にはこだわりがある。青白い物と、ちょっと赤みがある物の2種類を交ぜています。
 陸(おか)から見える夜の漁火(いさりび)は涼しげかもしれないけど、船の上は集魚灯の熱でものすごく暑くなる。全身汗だくになりながらの漁です。

◎気仙沼駅(気仙沼線BRT)

 気仙沼駅は東日本大震災の津波の被害を免れたが、気仙沼港近くの「内湾地区」にある魚町や南町は大きな被害を受けた。魚町などは以前から多くの人が訪れた、港町・気仙沼の中心部。震災後、新たなにぎわいを創出しようと観光集客施設「迎(ムカエル)」などが建設された。
(文・写真 長南康一)


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2019年08月18日日曜日


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