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<再生の途上で・塩釜市長選>(上)人口問題/続く減少、抑止策探る

桂島海水浴場で監視員を務める住民。年を重ねても島の役割を担っている

 任期満了に伴う宮城県の塩釜市長選(9月1日投開票)が25日に告示される。東日本大震災で被災し、復興途上にある塩釜。市民の針路選択の時を前に、現状や市政課題の一端を探る。
(塩釜支局・松田佐世子)

 塩釜市の浦戸諸島の一つ、桂島。今季は25日まで開設中の桂島海水浴場で、監視員を務めるのは主に65歳以上の住民だ。海水浴客を浜や舟で見守る。

◎震災前から半減

 住民は浦戸諸島の中で最多の約110人だが、震災前と比べ半減した。津波で被災した後、仕事の都合や高齢を理由に島を去る人が増え、「島民は過去一番少ないぐらい」と内海粂蔵桂島区長。しかも70歳以上が6割を超える。
 浦戸諸島の人口は1970年前後の約2000をピークに減り続け、2018年末で329。内海さんは「多くの人が島に残れるよう、介護など福祉の充実に期待する。島々の歴史や自然を生かし交流人口も増えれば」と願う。
 高齢化が深刻化する島の現状は、市全体を覆う人口問題の一つの縮図にすぎない。各年末の市人口は1995年の6万3750をピークに減少が続く。市政策課によると今年7月で5万4040。65歳以上の割合を示す高齢化率は33.23%に上る。

◎進む少子高齢化

 市内で4月にあった民生委員・児童委員の会合。「市内で昨年生まれた子は300人を切った」。市幹部が来賓あいさつでこう触れると、出席者に衝撃が走った。子どもを大切に育てようという発言の真意は、衝撃の前でかすんだ。
 市は若い世代の移住・定住促進に力を入れている。住宅を購入し転入する子育て世帯や、市内に3世代で同居・近居のため家を買う世帯への補助制度を18年度に始めたところ33世帯107人が移住した。ただ、転入が増えても少子高齢化で死亡数が上回り人口減は止まらない。
 将来を見据え、市は18年度末に「市公共施設再配置計画」を県内で初めて策定した。統廃合や譲渡などで46年度までに市有の公共施設をおおむね24%削減。転用を含め、人口や財政規模に合った行政サービスの最適化を図る道筋を示した。
 今期限りで引退する元議長の菊地進市議は「生み育てる若い人が暮らしやすい環境を整えるべきでは。出生祝い金や子育て世帯の税金優遇などいろいろ試してほしい」と柔軟な対応を求める。


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2019年08月19日月曜日


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