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貞山堀の今昔 写真でたどる 仙台・メモリアル交流館で企画展

貞山堀のほぼ全域を示した航空写真地図を眺める来館者

 東日本大震災で被災した「貞山堀」の震災後の姿と思いを寄せる人たちの声を紹介する企画展「貞山堀より愛をこめて〜震災から8年後のふるさと〜」が、仙台市若林区のせんだい3.11メモリアル交流館で開かれている。
 展示メインは仙台湾沿いに連なる貞山堀のほぼ全域を6500万分の1で示した写真地図。国土地理院が2013〜15年に撮影した航空写真を貼り合わせ、壁面に縦2.7メートル、横8.3メートルという圧巻のサイズで運河の巨大さを伝えている。
 市沿岸部を活動拠点とする5団体のメンバーが、貞山堀や周辺地域への思いを語った映像も上映する。5台のタブレット端末が用意され、ヘッドホンを付けて見ることができる。
 若林区なないろの里で、被災者が集う「お茶っこサロン」を主催する庄子千枝子さん(75)も登場する。結婚後、同区荒浜で暮らし始めた約50年前の貞山堀を振り返り「近所の人が声を掛け合い、シジミ取りをする様子を見に行ったりした。灯籠流しの風景も忘れられない」と語っている。
 戦後間もない貞山堀の写真をスクリーンで次々紹介するコーナーもある。堀に浮かぶ船、釣りを楽しむ子どもの姿などが映し出される。1933年に荒浜小が作成したとされる「七郷郷土読本」に収められた貞山堀の作文の朗読が、写真に合わせて流れる。
 企画展は交流館主催。担当する三條望さん(33)は「貞山堀の存在も知らない若い人が多い。地域の暮らしに深く結び付いてきた堀の歴史に触れるきっかけになればいい」と期待する。
 企画展は10月20日まで。午前10時〜午後5時。入場無料。月曜休館。連絡先は交流館022(390)9022。

[貞山堀]塩釜湾から阿武隈川河口まで仙台湾沿いに連なる御舟入(おふないり)堀、新堀、木曳(こびき)堀の総称。安土桃山時代から明治時代にかけて整備された。貞山運河とも呼ばれる。北上運河、東名運河を含めた運河群の総延長約49キロは日本最長を誇る。


2019年08月20日火曜日


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