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<再生の途上で・塩釜市長選>(下)街の活力/再開発 にぎわいの鍵

再開発で住宅棟の建設が進む海岸通地区。手前には「直会横丁」が整備される

 任期満了に伴う宮城県の塩釜市長選(9月1日投開票)が25日に告示される。東日本大震災で被災し、復興途上にある塩釜。市民の針路選択の時を前に、現状や市政課題の一端を探る。(塩釜支局・松田佐世子)

 塩釜市中心部のJR本塩釜駅付近。塩釜神社の門前町から海沿いの旅客ターミナル「マリンゲート塩釜」までの周辺一帯は、観光エリアでもある。しかし、テナント募集のビルが散見されるなど、普段はにぎわいを感じにくい。
 門前町の活性化を図る「本町(もとまち)通りまちづくり研究会」会長と本町町内会長で、玩具店の丹野秀彦社長は「人通りは少ない」と憂う。

休日 人出は改善

 人出は各指標を見れば改善はしている。市が休日1日に中心部4地点を調べる2017年度の「まちなか歩行者数」は8174人で、前回の14年度に比べ1262人増えた。14年秋の市杉村惇美術館の開館、16年の明治初期の建物「旧えびや旅館」内のカフェ開店の効果という。
 通りには塩釜の地名の由来といわれる釜を安置する御釜神社などもある。「いい店がたくさんあるので、おもてなしができれば、にぎわいにつながる」と丹野さん。訪日外国人旅行者(インバウンド)が増える中、急な来訪を商機とするため、各店への多国語自動翻訳機の導入支援などを市に期待する。
 マリンゲート塩釜では、懸案の3階の空き区画約670平方メートルに塩釜公共職業安定所の移転入居が決まった。移転予定は来年6月。運営する第三セクター、塩釜港開発の幹部は「集客機能のある入居者」と歓迎する。ただ「観光施設の本来の目的から外れる」(赤間広志・元テナント会会長)と疑問の声も上がる。

人の流れ 変化も

 中心部では津波に遭った海岸通地区の市街地再開発も進んでいる。区域のうち南側の1番地が18年5月に着工した。14階の住宅棟、店舗や市子育て支援施設が入る3階の事務所棟などを建てる。
 20年春完成の住宅棟2〜14階のマンションの入居成約は順調という。未着工の北側(2番地)は低層の専門店・飲食店街「直会(なおらい)横丁」になる。完成は20年秋ごろを見込む。
 「着工後はあっと言う間」と話す海岸通1番2番地区市街地再開発組合の鈴木成久理事長は「完成すれば人の流れが変わり、波及効果もあると思う」と、にぎわい創出の希望を託す。


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2019年08月21日水曜日


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