宮城のニュース

農薬や肥料使わず雑草抑える「深水管理」でコメ収量倍に 水位、水温をスマホで把握 ドコモが実証試験

センサーを設置した水田で実証栽培の様子を確認するNTTドコモ社員=7月上旬、宮城県色麻町(NTTドコモ提供)

 NTTドコモは東日本大震災の復興支援として、農薬や肥料を使わないコメ栽培の「深水管理法」普及に取り組んでいる。通常より水を深く張って雑草繁殖を抑える独自の栽培法で、情報通信技術(ICT)も活用して付加価値の高いコメ作りをサポートする。本年度は宮城、福島両県の農家の協力を得て実証栽培している。

■収量、倍近くに

 深水管理法は田植えの1カ月前から深さ14センチ以上の水を田に張り、代かきを3回実施して雑草の根や種子を除去。田植え時は水深7センチ程度とし、生育に応じて水位を深くして出穂まで水深14センチ以上を保つ。水を深く張ることで、雑草は十分な酸素が得られず生育が抑制されるという。
 ドコモが2017、18年度、宮城県南三陸町などの農家の協力でササニシキを栽培したところ、除草作業量は10分の1に減り、収量は倍近くに増えた。ドコモの水田センサーを活用することで、農家はスマートフォンなどで水位や水温のデータを常時把握でき、見回りの労力も軽減されるという。
 本年度は農林水産省の有機農産物安定供給体制構築事業に採択され、宮城県色麻町、加美町、福島県猪苗代町の4農家計約6.8ヘクタールでコシヒカリ、ササシグレ、ひとめぼれを栽培。地域や品種によって雑草抑制効果や収量などに違いがあるかを確認する。

■高値取引期待

 農薬や肥料を使わずに栽培したコメは、慣行農法の3倍以上の価格で取引されることも多い。一方で、除草作業の負担が重く、雑草に養分を取られるなどして慣行農法の半分以下の収量になることが一般的だ。
 深水管理は冷害対策として用いられるが、雑草抑制効果は一般に知られていない。ドコモの東北復興新生支援室の堆(あくつ)英明さん(58)が20年以上前から茨城県の実家の田で試行錯誤して確立。震災後、東北の農家支援に役立てようと京都大などと共同研究し、昨年、栽培マニュアルを作成した。
 支援室の担当課長山本大介さん(45)は「中山間地の狭い農地などでの付加価値の高いコメ作りに役立つ。耕作放棄地を減らし、里山のコミュニティー維持につなげたい」と話す。
 希望する農家には栽培法などを指南する。連絡先は東北復興新生支援室080(1355)3842。


関連ページ: 宮城 経済

2019年08月21日水曜日


先頭に戻る