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帰還困難区域で捕獲したイノシシを菌で軟化 焼却前処理設備を公開

菌床の入ったイノシシ処理の軟化槽。白点は温度計

 環境省は22日、福島県浪江町の仮設焼却施設で、東京電力福島第1原発事故に伴う同県双葉郡の帰還困難区域で捕獲したイノシシなど有害鳥獣を、焼却前に菌で軟化させる初の処理設備を公開した。
 処理設備は6月末、仮設焼却施設の受け入れヤード内に完成。7月に稼働させた。三つの槽計約70平方メートルに菌床を設け、約2週間かけて微生物の働きで分解促進させ、焼却に適した状態まで軟化させる。
 環境省福島地方環境事務所の説明では、この約1カ月で浪江、双葉、大熊町などの帰還困難区域に仕掛けたわな約300基で捕獲したイノシシを中心にアライグマやハクビシン計約316頭(6457キロ)を軟化処理。約6%に減った410キロの残さを焼却した。
 イノシシ個体の放射性物質濃度は8頭を抽出して調べたところ、1キログラム当たり470〜1万4000ベクレルだった。放射性物質が移行する菌床は1キログラム当たり8000ベクレル未満の指定廃棄物に該当しない段階で交換する。設備周辺の空間放射線量は処理前に比べ大きな変化はないという。
 視察した吉田数博浪江町長は「住民帰還、営農再開に向けてイノシシ捕獲は避けて通れない。一日も早い復興のために施設を受け入れた」と話した。


2019年08月23日金曜日


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