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<仙台市議選 109万都市の針路>識者に聞く[4完]資産活用攻めの姿勢で

【すだ・よしあき】1972年、女川町生まれ。明大卒。会社員を経て99年の県議選で初当選。東日本大震災後、3期目途中で辞職して2011年11月の女川町長選に立候補し、無投票で初当選。現在2期目。自民党県連幹事長なども歴任した。47歳。

◎自治/女川町長 須田善明さん

行儀が良すぎる

 −女川町を含め、県内の自治体にとって仙台市はどんな存在か。
 「仙台市を中心とする仙台都市圏にさまざまな都市機能が集積することは、宮城県全体の競争力につながる。生活に密着した中枢機能は石巻市に求めるが、例えば空港や高度医療、大学は仙台都市圏にないと成り立たない。仙台都市圏にはより高度で多様な機能、魅力を備えてもらい、東北全体の資産として共有してもらいたい」
 −仙台市はその役割を十分に果たせているか。
 「札幌、広島、福岡など全国の拠点都市に比べると、もっと機能や魅力を高めてほしいと感じる。仙台市には『暮らしやすい』『杜の都』というイメージやブランドがあり、それを守ることも確かに大事だが、行儀が良すぎる印象がある。もっと、とんがってもいい。行政として攻める姿勢を見せてほしい」

■起業家後押しを

 −「攻め」の具体的なイメージは。
 「道路などの保有資産を有効に活用し、民間がチャレンジすることを積極的にバックアップしてほしい。東日本大震災で被災した市沿岸部で、防災集団移転跡地を民間に貸し出し、にぎわいの創出に取り組んでいることは、好例として評価している。仙台で先行事例をつくれば、他自治体でも横展開できる」
 「JR仙台駅の東西地下自由通路には商業施設がない。近隣の商店街とも話し合い、活用すべきだろう。あれだけの動線に、あれだけのスペースがあるのに、もったいないと思う。もっと、いろいろなことができるはずだ」
 −女川町と仙台市には、創業支援に力を入れているという共通点がある。
 「2017年に仙台市であったビジネスコンテストで、女川町の起業家が入賞したが、こうしたイベントも仙台が都市圏だからこそ成立する。女川で実施するのはなかなか難しい」
 「起業家を呼び込むには、チャレンジングで面白そうな街というイメージが必要。起業家は『この街の雰囲気ならば挑戦したい、後押ししてもらえそうだ、面白そうだ』と思える場所に行く。つまらない所は選ばれない。だからこそ攻めのメッセージを発信し、実行することが仙台のブランド価値の向上につながる」
 −改選後の新仙台市議には何を求めるか。
 「仙台市にある公共財は市民だけのものではない。仙台市民に選ばれる議員ではあるが、県内のさまざまな人々の思い、視点を頭の片隅にでも置いてもらえるとありがたい」
(聞き手は報道部・小木曽崇)


2019年08月24日土曜日


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