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<Eパーソン>アジア市場切り込む

せいの・よしあき 仙台商高卒。1969年入社。執行役員管理部長、常務(本社担当)などを経て2017年6月から現職。日本機械鋸・刃物工業会副理事長。69歳。仙台市出身。

◎東洋刃物 清野芳彰 社長

 産業用刃物メーカーの東洋刃物(富谷市)は、中国を中心にアジアで主力の情報産業用刃物の販売を強化する。3月に半導体関連製品のフェローテックホールディングス(HD、東京)と資本・業務提携契約を締結。同社の海外販売網の活用とともに、同社グループの刃物メーカー「杭州和源精密工具有限公司」(中国・杭州)との協業を進める。清野芳彰社長に成長戦略を聞いた。
(報道部・高橋公彦)
 −提携の背景は。
 「東日本大震災の津波で仙台港近くにあった主力工場などが被災し、売り上げ低迷の苦境に陥った。経営強化に向けて2016年3月、官民ファンドの地域中核企業活性化投資事業有限責任組合(東京)と資本・業務提携契約を結んだ」
 「ファンドの目的は地域の核となる企業の経営改善支援。資金調達に加え、製造や営業、管理の業務改善に関する指導を受けた。世界的な好況もあって業績が上向き、ファンド保有の当社株式の売り先を探した結果、フェローHDとの提携につながった」
 −提携で何を狙うか。
 「海外展開だ。まずは3年以内に、中国の杭州和源に隣接して製造拠点を整備したい。生産品目はある程度の需要が見込める液晶関連、高機能フィルムを切る高精度の刃物を検討し、市場調査を進めている」
 −売り上げに占める海外メーカーとの取引の割合は約1割にとどまる。
 「現在、当社は海外拠点がない。国内市場が飽和し、競合他社は海外の製造、販売で利益を伸ばしている。フェローHDグループとともに中国や東南アジアで拡販を進めたい」
 −20年度から始まる中期経営計画を検討している。
 「18年度を最終とする計画では、高精度精密製品の売上高構成比率50%以上など、6項目の数値目標全てを達成できた。ファンドの支援による業務改善で原価率を下げられたことも大きい」
 「新たな計画は来年2月に公表する予定だ。今年で創業94年になる。100年に向けての基礎作りとして、杭州和源との協業で売り上げや利益の上積みを図り、従業員の生活水準の向上や株主の信頼獲得につなげていく」


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2019年08月24日土曜日


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