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釜石港活用し日韓関係改善を 市長、定期航路維持へ訪韓「経済界は冷静」

「韓国国内は経済界も市民も冷静だった」と語る野田市長

 日韓の政治対立が深刻化する中、岩手県釜石市の野田武則市長が20〜22日、ポートセールスで韓国を訪問した。韓国の経済人や市民は日韓関係の現状をどう見ているのか、現地の雰囲気について聞いた。(聞き手は釜石支局・中島剛)

 −訪問の目的と成果は。
 「東日本大震災から復旧した釜石港はコンテナ取扱量が年々増えている。さらに伸ばして岩手、東北の経済振興に貢献したい。2年前に初の国際直行定期航路を開設してくれたソウルの南星海運に航路の維持と発展をお願いしてきた」
 「米中貿易摩擦で東アジアの海運に悪影響が出始めており、事態が長引けば航路の再編も懸念される。釜石は仙台と八戸に挟まれており、埋没が怖い。三陸沿岸道の整備が進んだことによる利便性向上を訴えた」

 −日韓対立を韓国経済界はどう見ていたか。
 「国際航路の取扱量に関しては、現時点で影響はない。日韓が協力しないと互いの経済発展はないと考えており、両国連携の大切さを私たち以上に分かっている。非常に冷静で、関係悪化を心配していた。釜石航路の活用で復興を応援したいという声ももらった」

 −現地の雰囲気はどうか。
 「短期滞在での感想だが、何のトラブルもなく、快適だった。コンビニや飲食店は日本人と分かっても温かく接しており、市民から反日的な感情を読み取ることはなかった」
 「ただ、一般の人に日本の情報がきちんと伝わっていない印象はある。日本の立場ではさまざまな経緯があって輸出規制に至ったわけだが、現地の報道は『日本がいきなり貿易を止めた』という伝え方。説明が不十分と感じた」

 −関係改善に向けて地方自治体にできることは。
 「日本の国民が何を考えているか、正しく毅然(きぜん)と伝えるべきだ。議論して膿(うみ)を出し合えば、雨降って地固まるはず。韓国と対話のチャンネルを持つ自治体は多い。釜石の場合は港。積極的に活用して思いを伝えていきたい」


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2019年08月25日日曜日


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