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<東京検分録>参院バリアフリー/差別解消法国会も適用を

 参院選後に召集された臨時国会は、国会内のバリアフリー化が焦点になった。車いす生活を続ける国民民主党の横沢高徳氏(47)=岩手選挙区=や、重い身体障害のため大型車いすを使うれいわ新選組の舩後靖彦氏(61)、木村英子氏(54)が初当選。参院は議場の改修などに追われた。
 初登院前日、横沢氏は議事堂内のエレベーターや議場を確認した。議席は前から4列目。後方と左側が通路になっているため、椅子を取り外せば車いすのまま席に着ける。議場内の移動も支障はなかった。
 参院事務局によると、横沢氏の議席がある4列目の全42席は、他の列の議席と違い椅子が取り外しやすくなっている。
 車いすの八代英太元郵政相が1977年に初当選して以降、改善を重ねた結果という。八代氏の議席も4列目だった。事務局営繕課は「今後もニーズに応じて不都合がないよう万全に対応したい」と説明する。
 記名投票による正副議長選で、横沢氏は自席で記入した投票用紙を事務局職員に渡した。「代理投票」の形式で八代氏の在任中に先例がある。舩後、木村両氏の議席は最後列に確保。3人分の議席を改造し医療機器用電源も取り付けた。議長選では介助者が代筆した投票用紙を職員に渡した。
 2016年4月に施行された障害者差別解消法は、地方自治体や国の行政機関に対し、不当な差別の禁止やバリアフリーなど合理的配慮の提供を義務付けた。ところが、三権分立の観点からそれぞれ自律的な措置を講じるとして、国会は対象外となっている。
 実際は今回のように事務局が対応するが、問題は議員だけではない。16年5月、衆院委員会で筋萎縮性側索硬化症(ALS)の男性患者の参考人招致が決まったが、「質疑に時間がかかる」(自民党側)という主張が通って招致が取り消された経緯がある。
 差別解消法の対象外であることで、議員はもちろん招致された証人や参考人、一般傍聴者への思わぬ差別を生む懸念は消えない。3議員の誕生を機に、国会自らが差別解消法の対象に含める法的手当てを検討すべきではないか。(東京支社・山形聡子)


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2019年08月25日日曜日


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