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LGBT公表の加藤さん・盛岡市議に 2位で初当選 パートナー制導入目指す

当選が決まり、支持者と握手を交わす加藤さん(右)=26日午前2時20分ごろ、盛岡市大通の事務所

 25日投開票の盛岡市議選(定数38)で、性的少数者(LGBT)であることを公表する無所属の新人加藤麻衣さん(25)が初当選を飾った。「差別や偏見が見え隠れする社会を議会から変えたい」と「当事者」が立ち上がった。識者は、7月の参院選で重い身体障害のある2人が議席を得た「れいわ新選組現象」の全国的な広がりを指摘する。

 26日午前1時半ごろ、市中心部の繁華街に構えた事務所に当選の知らせが入った。獲得票は候補者の中で2番目に多い4425。多くの有権者が「地盤」「看板」「かばん」のない加藤さんの訴えに呼応した。
 「たくさんの方に押し上げていただいた。本当にありがとうございます」と加藤さん。遅くまで開票状況を見守っていた支援者約10人と笑顔で握手を交わした。
 レズビアンであることを公表し、市内の会社で働く。岩手大在学中に性的少数者の団体を設立し、2018年にはLGBTの権利擁護を訴えるパレードを企画した。
 告示直前に25歳となり、被選挙権を得たのを機に立候補を決意。加藤さんの行動に自らの心情を重ねる人や、少数者の代表を議会に送り出したいと考える人が一人、二人と事務所に集い始めた。
 街頭演説では自らが感じる「生きづらさ」を率直に語り「たくさんの人が自殺に追い込まれるほど生きにくい日本社会を盛岡から変えたい」と訴えた。
 議員活動では、柔軟な働き方の推進や同性カップルを「結婚に相当する関係」と公的に証明するパートナーシップ制度の導入を目指す。「若者であり、女性であり、LGBTの当事者として、市民の声を議会に届けたい」と抱負を語った。
 「当事者」の直接的な政治参加について、地方議会制度に詳しい岩手県立大の斎藤俊明特任教授(政治学)は「これまで議員が少数者の利益を本当に代弁してきたのかが問われている証し」とみる。
 多くの支持を集めた加藤さんを「単一争点を提示する戦い方が、地方議会に根強い地域選出の枠組みを超えた」と評し「れいわ新選組が参院選で突き付けた多文化共生社会の在り方に対する問題意識が、地方議会にも波及してきた」と分析した。


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2019年08月27日火曜日


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