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特別養子縁組の実体験、赤裸々に語る 市民団体が勉強会「子育て困難なら相談を」

わが子を養子縁組に出した実体験を語る奥山さん(左)

 生みの親が育てられない子どもの救済策の一つとして知られる「特別養子縁組」の勉強会が仙台市青葉区の市市民活動サポートセンターであり、わが子を特別養子縁組に出した奥山幸恵さん(36)=仮名=が実体験を赤裸々に語った。
 奥山さんは現在、養子縁組を仲介する茨城県のNPO法人「Baby ぽけっと」の職員として、養子縁組に悩む人の相談に応じている。「同じようにつらい状況にある女性を救いたい」と願い、自らの体験を伝えている。
 奥山さんは30歳のときに妊娠した。直後に婚約者が逮捕され、子育てを頼れる状況ではなくなった。貯金もなく「1人で子どもを育てられない」と途方に暮れた。
 インターネットで「産んでも育てられない」と検索すると、特別養子縁組制度が目に留まった。思い悩んだ末、NPO法人の仲介で特別養子縁組に出すことを決意した。
 NPO法人の母子寮に入り、無事に女の子を出産。だが、すぐにわが子との別れは訪れた。涙を流す日々を支えたのは母子寮の女性たちだった。「同じ境遇の人と話し、つらい思いを共有できたことが救いになった」
 養父母が写真を送ってくれたり、娘を連れて会いに来てくれたりしているため、娘の成長を把握できている。「娘は私がどんな存在か理解してないけれど…」と話す。
 奥山さんは「養子縁組した当時は悲しく、つらかったが、今はこの経験を肯定できる。養子という選択肢を遠ざけず、子育てが難しい状況にあるなら相談してほしい」と呼び掛けている。
 勉強会は11日に開かれ、市民団体「赤ちゃんポストと子どものいのちを考える会@sendai」の主催。約70人が参加した。

特別養子縁組 1988年開始の制度で民法に規定。実親との法的関係が残る普通養子縁組に対し、実親との法的な親子関係を解消し、戸籍上も養父母の実子と同等の扱いとなる。虐待や経済的な事情などから、実親による養育が困難な子どもの救済が目的。今年6月の法改正で対象年齢が原則6歳未満から原則15歳未満に引き上げられた。


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2019年08月28日水曜日


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