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<どうつくる30万都市・山形市長選を前に>(上)定住促進 規制緩和で宅地化進む

住宅着工が活発化する山形市郊外

 任期満了に伴う山形市長選が9月1日告示、8日投開票で行われる。市は2016年に「人口ビジョン」を策定し、現在約25万の人口を50年に30万まで増やす目標を掲げた。実現の鍵は、定住促進策と仙台市との交通インフラ整備。人口減少社会を迎える中、市の取り組みと課題を探った。


 山形市郊外のあちこちで農地や空き地が宅地になり、住宅建築のつち音が響く。
 市は17年6月、条例を改正し、宅地開発の規制緩和に踏み切った。開発が抑制される市街化調整区域の一部に関して、農業従事者や地縁・血縁者以外であっても一定の条件で住宅を新築できるようになった。
 許可戸数2倍に
 市によると、昨年6月〜今年5月、市街化調整区域の開発許可戸数は375戸。16年6月〜17年5月の167戸と比べて2倍以上に増えた。
 対象エリア全てに家が建つと仮定した場合、「2万人規模が居住可能」(市まちづくり政策課)という。集落に隣接しており、市の新たなインフラ整備も不要だ。
 市内で不動産業を営む山形県宅地建物取引業協会の高橋一夫会長(69)は「従来は市内で家を建てるのが難しく、地価の安い近隣の天童市や東根市などに流出していた。需要にようやく応えられている」と語る。
 国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、市の50年の人口は18万7000。市が16年2月にまとめた「人口ビジョン」では、50年の目標人口を30万4000としている。
 目標は2段階で設定されており、第1段階として移住促進や雇用確保で27万6000に引き上げる。さらに第2段階でJR仙山線の高速化や新たな道路整備など仙台市との交通インフラが充実すれば、30万の達成が可能と見込む。
 中心部を再開発
 市は中心部への居住を促す政策にも力を注ぐ。2月にまちづくりの指針「中心市街地グランドデザイン」を作り、3月発足の「山形エリアマネジメント協議会」が官民連携で街中の課題解決に当たっている。
 来年度末までには、市中心部で市が財政支援する再開発事業で20階建てマンション1棟、他にも民間業者が施工するマンション2棟が順次完成する予定。戸数は計約380に上る。
 市まちづくり政策課は「東北の県庁所在地の中でも山形は人口密度が高く、郊外との距離も近い。街中と郊外で家族構成や生活様式に応じた選択肢をPRできるのは、市の強みになる」と説明する。
 全体の青写真となるのは、市が来年度の策定を目指す「立地適正化計画」。医療、福祉、商業などの都市機能と居住機能、それらをつなぐ公共交通ネットワークの在り方を定める。
 高橋会長は、市の方向性を評価しつつも「市街地の居住人口を増やす上でマンションは点にとどまり、高齢者向けの住宅が足りない」と指摘。「増加する空き家の有効活用にもっと知恵を絞るべきだ」と注文する。


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2019年08月29日木曜日


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