宮城のニュース

<311次世代塾>第3期第5、6回講座 「実践的な訓練大切」受講生、教訓学び意義実感

 東日本大震災の伝承と防災の担い手育成を目的に河北新報社などが開く通年講座「311『伝える/備える』次世代塾」第3期の第5回と第6回講座が24日、仙台市宮城野区の東北福祉大仙台駅東口キャンパスであった。第5回は前回に続き「避難の明暗」をテーマに講師2人が震災時の証言と教訓を伝えた。第6回は「考える」をテーマに地震発生のメカニズム、がれき処理、津波訴訟の各テーマについて3人が講話した。
 第5回講座で、講師を務めた日鉄建材(東京都)の執行役員平山憲司さん(58)は震災当時、仙台製造所(仙台市宮城野区)の所長だった。平山さんは「繰り返しの訓練が短時間の避難につながった」と力説し、「マンネリ化を恐れずに訓練を繰り返そう」と呼び掛けた。
 もう1人の講師を務めた医療法人くさの実会(気仙沼市)の常務理事猪苗代盛光さん(71)は「想定外の事態が起きることへの覚悟も重要」と指摘、「日ごろから地域と連携し自助・共助に磨きを」と訴えた。
 講話後、受講生約60人は9グループに分かれ講話内容について議論。各グループの考えを発表し合った。
 避難訓練や防災マニュアルづくりを巡っては「災害時には全く役に立たない形式的なものでは意味がない」「抜き打ちの訓練などを考えてもいいのではないか」などの意見が出た。
 自助・共助の取り組みについては「平時から、どれだけ地域の住民と連携できるかが重要だ」「高齢者や身体障害者が適切に避難できるように、地域全体で取り組みを進める必要がある」といった声も聞かれた。
 第6回講座は地震発生直後を扱う第1フェーズの最終回で、3人が登壇した。
 地震のメカニズムをテーマに講話した東北大災害研教授の遠田晋次さん(52)は「自然現象を正しく理解することが防災・減災につながる。内陸型地震への警戒も大切だろう」と説明。
 宮城県のがれき処理を振り返った県土木部理事の笹出陽康(はるやす)さん(59)は「発災から3年間、膨大ながれき処理に奔走した。経験や知見を次の災害の備えとして生かしていく」と話した。
 津波犠牲者を巡る訴訟を総括した南町通り法律事務所(仙台市青葉区)の弁護士佐藤由麻さん(39)は「あの日何があったのか真相を究明し、再発防止の指針にしていく必要がある」と指摘した。

[メモ] 311「伝える/備える」次世代塾を運営する「311次世代塾推進協議会」の構成団体は次の通り。河北新報社、東北福祉大、仙台市、東北大、宮城教育大、東北学院大、東北工業大、宮城学院女子大、尚絅学院大、仙台白百合女子大、宮城大、学都仙台コンソーシアム、日本損害保険協会、みちのく創生支援機構。事務局は河北新報社防災・教育室=メールjisedai@po.kahoku.co.jp

◎受講生の声

 担当の東北福祉大インターン生は次の通り(敬称略)。3年菅野萌愛(もあ)▽2年鈴木真羽(まう)、武藤有沙

<協力し情報共有>
 全員助かった事業所と犠牲者が出た施設の話を聞き、自分の力でできること、周りの力を借りないとできないことがあると知りました。協力して多くの命を救えるよう地域で情報共有するべきだと思いました。(仙台市泉区・宮城大1年・水谷文香さん・19歳)

<想定外にも備え>
 避難訓練は体で覚えるまで行うことが大切だと感じました。想定外が起こり得ることを考え、事前に手を打つことも必要です。備えるためには、その土地を知っておかなければならないと思いました。(仙台市太白区・宮城教育大3年・佐々木裕太さん・21歳)

<「地域知る」必要>
 津波に襲われながら施設職員が懸命に高齢者を避難させようとしたことを聞いて、考えさせられました。避難が難しい人を救うには地域を理解し、そこに住む人を知ることが大切だと感じました。(仙台市青葉区・住宅金融支援機構東北支店・福井つくしさん・23歳)


2019年08月30日金曜日


先頭に戻る