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<どうつくる30万都市・山形市長選を前に>(下)仙山交流 連携強化し相乗効果を

山形市の山寺芭蕉記念館で案内する仙台圏からのボランティアガイド

 任期満了に伴う山形市長選が9月1日告示、8日投開票で行われる。市は2016年に「人口ビジョン」を策定し、現在約25万の人口を50年に30万まで増やす目標を掲げた。実現の鍵は、定住促進策と仙台市との交通インフラ整備。人口減少社会を迎える中、市の取り組みと課題を探った。

 東北屈指の観光地、山形市山寺にある市の文化観光施設「山寺芭蕉記念館」。俳人松尾芭蕉にちなんだ資料などを収蔵、展示する。
 来館者を案内するボランティアガイド35人のうち18人が、仙台市を中心に仙台圏から通う。山形市など山形県側の17人より多い。

◎鉄路の利便性鍵

 隣り合う仙台市との「草の根交流」は年々活発化する。JR仙山線で仙台駅から約1時間。仙台に着くや真っすぐ山寺に向かう観光客も多い。ガイドを開始するのも山寺駅への電車到着に合わせているという。
 ガイドらでつくる「奥の細道マイスターの会」の蘆野(あしの)真一郎代表(71)=山形市=は「仙山線は単線なので本数が限られ、時間もかかる。山寺への注目度を考えれば利便性をもっと高めてほしいのだが」と語る。
 2016年策定の「人口ビジョン」で市が掲げた50年の目標人口は、現在より約5万多い「30万4000」。達成条件に仙台との交通インフラ整備を挙げる。
 15年秋、初当選した佐藤孝弘市長は就任後直ちに、奥山恵美子仙台市長(当時)を訪問。仙山圏の活性化に向け、両市が協定を結ぶメリットを訴えた。1年後の16年11月、「防災」「観光・交流」「ビジネス支援」「交通ネットワーク」を主な分野とした両市の包括的な連携協定締結に至る。
 今年4月に東北の県庁所在地では最後となる中核市に移行した山形市。6月には中核市を拠点とする「連携中枢都市宣言」を行い、周辺11市町(山形市も含め人口約50万)との連携協議を始めた。協約を締結した上で、来年4月の連携事業スタートを見込む。

◎定期的に勉強会

 仙台市と連携してビジネス交流を促す「仙山生活圏推進協議会」(仮称)の設立構想を掲げるのも、こうした動きを踏まえている。人口減少社会を見据えた上で、互いを一つの経済圏と見なし、仙台市や周辺市町村とのパートナーシップで相乗効果を図る考えだ。
 両市を結ぶ高速バスも平日80往復が走り、住民は互いに通勤、通学、買い物などで自由に行き来している。市企画調整課は「圏域どちらの特長も享受できるような生活を提案できれば、全国的にも魅力あるエリアとなり得る」とみる。
 両市の職員らによる、仙山線の勉強会も定期的に開催。本年度から利用促進や利便性向上に関するプロジェクトに着手している。
 蘆野代表は「ハードの整備促進にはソフト面の説得力が欠かせない。有意義な民間交流が目標実現を後押しするはず」と期待する。


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2019年08月30日金曜日


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